第75話 さるお、大きな岩を壊す

 五つ目のクリスタルを見つけるため、岩石の洞窟を探索たんさくしているヒビキたち。

「ちゅぴ!」

「ちゅる!」

すると、チララとコロンは何かを発見した。

「大きな岩が邪魔じゃまで先に進めない…」

大きい岩がヒビキたちの行く道をはばんでいる。

「ディガーが中間地点で言っていたように、この岩こそ、ニュートピアを貫通するトンネル工事が中止になってしまった原因の一つかもしれない」

「どうしよう…」

あせりをつのらせるヒビキたち。

 その時だった。

「ボーっとたたずんでいるんじゃないぞ!おらにまかしとけ!」

「その声は…」

「さるお!」

「助けに食てくれたんだね!」

なんと、さるおがヒビキたちのもとに現れた。

「今回は、恩返おんがえしということだ!」

「ていっ!」

「ヒビが出てきた!」

そして、

「あと少し!」

頑張がんばれ!」

「やっ、とりゃっ!」

さるおによって、大きな岩は粉々こなごなくだかれた。

「ちゅぴ!」

「ちゅる!」

「すごい!」

「おらの力は半端はんぱないって!大きな岩でさえ一発でこわすんだぜ!そんなもん、普通はできないんだぞ!」

ヒビキたちは、洞窟の先へと進めるようになった。

「ありがとう!」

「こちらこそ!」

「気を付けてね!」

こうして、さるおはハミングタウンへと帰っていった。

 そして、

「ちゅぴ!」

「ちゅる!」

チララとコロンは、何かを見つけた様子。

「これは…」

「アーケロンの化石だ!」

「アーケロンは、ちゅうこう双弓そうゆみ亜綱あこう・カメ目・プロトステガ科に属する。学名は古代の亀または統治とうちする亀を意味する。また、中国名は帝亀である。全長約四メートル、甲長約二メートル、頭骨長約八十センチメートル、全幅五メートル弱である。体重は二トンにも達したと推定される。現在知られている最大のウミガメである。その甲羅こうら肋骨ろっこつが骨質の板ではなく革状の皮膚ひふや角質の板でおおわれているだけであるため、軽量化されていた。しかし、その甲に手足を引き込むことができなかったため捕食者におそわれやすく、あしひれが一つ欠けている化石もめずらしくない。おそらく襲撃者しゅうげきしゃはティロサウルスなど大型のモササウルス類であろうと思われる」

「ここは、かつて水辺だったかもしれない!」

そこは、アーケロンの化石がまっている場所だった。

「とりあえず、先を急ごう!」

「うん!」

ヒビキたちは、洞窟のおくへと進むのであった。

 一方その頃、アラシも岩石の洞窟にいた。

「忠告しておく。奥へと進むには暗闇くらやみを乗りえなければならないことを…」

アラシはこう言い残して、どこかへと去っていった。

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