第66話 せせらぎ川にヒントあり

 ヒビキたちは、せせらぎ川が流れている町はずれの森にいた。

「今日も流れは穏やかだ」

「水の青がわたっている!」

せせらぎ川は、いつものようにゆるやかに流れている。

 すると、

「誰か助けて!」

カモが魚のモンスターにおそわれている光景を目撃もくげきした。

「行こう!」

「うん!」

現場に向かうと、魚のモンスターにとらわれたかもの救出作戦が始まった。

「何が起こるかわからないけど、行っちゃえ!」

ネネは、アメジストのマジカルジュエルを魔法まほうの筆にセット。それをモンスターに向けてると、

「まどろみの鈴!」

ミルの魔法によって、モンスターはねむってしまった。

「私に任せて!」

サクラは、ルビーのマジカルジュエルを魔法の筆にセット。それをモンスターに向けて振ると、

「ブロッサムトゥルビヨン!」

ラビカの魔法によって、モンスターを倒した。

「カモは、冬羽ではおすめす色彩しきさいことなるが、カルガモのようにほとんど差がないものもある。日本では主にカルガモ、オシドリなどが通年生息し、日本全国の河川や湖などで見られる。日本では多くが冬鳥であるため、冬季にはマガモ、コガモ、オナガガモ、スズガモなど多種が見られる。野生種では生息数や生息地の減少からワシントン条約や日露にちろわたどり保護ほご条約じょうやく、日中渡り鳥保護協定、日米渡り鳥保護条約、ボン条約などの適用を受けている種も多く、生息地がラムサール条約に登録されることもある。日本では鳥獣ちょうじゅう保護法ほごほうにおいて狩猟可能な種と時期、地域、りょうなどが定められている。日本語と異なり英語の duck などヨーロッパの言語では、基礎きそ語彙ごいのレベルでは野生のかも家禽かきんのアヒルを区別しないので、翻訳に際して注意が必要である。バリケンも鴨の範疇はんちゅうに入る。雄は drake ともいう。中国語においても、日常会話では認知的に両者を区別していないため注意が必要である」

「助けてくれてありがとうございます!私はフフです!」

フフはヒビキたちに挨拶あいさつすると、

「さあ、ハミングタウンに帰ろう!」

「はい!」

ヒビキがスマートフォンで転送アプリを起動して、ハミングタウンに帰ったのであった。

 その後、

「せせらぎ川の河口かこうは、どんなところにあるのかな?」

「僕も気になる」

ヒビキとチララがせせらぎ川の河口について気になっていると、

「あっ、サケだ!」

「サケは、遺伝的には地域差より河川毎の差が大きく、同一河川での年級毎の差は小さい。これは、高い母川回帰性のため河川間の交雑こうざつが起き難く、回帰個体の年齢ねんれいにバラツキがあり年ごとの交配が行われていることを意味する。飼育下では標津しべつが淡水でのメスの成熟せいじゅくにも成功し、次世代を得たことがあり、二〇〇九年には千歳ちとせが二例目の淡水でのメス成熟と産卵の成功例となった。また、二〇一二年には富山県が国内三例目の成功例となる淡水でのメス成熟と成熟卵せいじゅくたまごほうらんを確認するなど、生態の研究が進められている。生息域は北太平洋と北極海の一部である。 日本国内でサケが遡上そじょうする川として有名なのは石狩川や、とよ平川ひらがわなどである。 日本近海のサケの圧倒的多数は、安定した漁業ぎょぎょう資源しげん確保かくほのために北海道・東北地方を中心に人工的に採卵・放流される孵化場産ふかじょうさんシロザケがめている。稚魚ちぎょの放流が行われず、自然産卵のみのサイクルが維持されている河川も北海道、北陸・近畿きんき・山陰地方にいくつか存在する。日本で定常的に遡上が認められる南限の河川は、太平洋側は千葉県の九十九里浜に注ぐくり山川やまがわであり、酒は銚子ちょうしに限るということわざの語呂合わせから太平洋側の南限は銚子付近といわれる。日本海側は島根県の江の川の支流しりゅう濁川にごりがわで、その他オホーツク海沿岸、北極海の一部、ユーラシア大陸側は朝鮮ちょうせん半島はんとう以北いほくの日本海沿岸、ベーリング海沿岸、アメリカ合衆国オレゴン州の河川に遡上・繁殖はんしょくする。ごんえんのカラフトマスとは分布や産卵期が重複し、産卵床の至適してき条件じょうけんが似ているため交雑が生じ交雑個体が捕獲されることがある。交雑個体はサケマスと呼ばれ外見は双方の特徴とくちょうあわせ持っている。産卵さんらんしょうが作られる河床環境は、カラフトマスよりも流速がおそ砂礫質すなれきしつ湧水ゆうすいのある河床が選ばれる。また、サケの稚魚が日中移動するのに対し、カラフトマスは主に夜間移動することが報告されている。日本でサケとして販売されている輸入品サケ類の一部は、元来は自然分布域ではなかった南アメリカ大陸のチリで、日本の国際協力機構の支援しえんにより養殖されたものがあるが、シロザケではなく海面養殖されたニジマスやギンザケである。日本での遡上は高緯度地域ほど早く十月から十二月で、北海道・東北地方の川が主であるが、本州中部から西部の日本海側や関東地方の川にも遡上し産卵する。水温八度では、六十日程度かかって孵化し五十日程度で腹部のらんのうの栄養分を吸収し終わると浮上ふじょうする。浮上時は体長五センチメートル程度でプランクトンを主とした捕食を開始する。浮上後から海水かいすい耐性たいせいが発達していて、三月から四月頃に日中に群れで移動し降海する。日本系シロザケでは降海こうかいした当年魚は北海道沿岸をはなれ夏から秋には千島列島のごく沿岸かオホーツク海の水温八度前後の水域を生活域とし、水温が五度程度になると北西太平洋の限られた水域に移動し越冬えっとうをする。越冬後はアリューシャン列島からベーリング海中部を餌場えさばとして表層から百メートル程度の水深まで分布し、秋には体長三十七センチメートル程度まで成長する。水温が低下する冬期はアラスカわんを主な生活の場としながら夏はオホーツク海から北部太平洋を回遊する生活を成熟までり返す。河川生活期の餌はえり好みをせず、口に入る大きさのカゲロウ、トビケラなどの水棲すいせい生物せいぶつを、海洋生活期の餌は、稚魚期には主にウミノミ類、カイアシ類、オキアミ類、成長するとホッケ類、イワシ類、他のサケ科魚類の稚魚などと考えられている。なお、成長しても夏はプランクトン、秋はイワシ類と季節で変化しているとの調査報告がある。約三年の海洋生活で成熟した個体は、母川に向け回帰し産卵活動を行う。南下回帰時のルートは千島列島沿いとされ、一九七四年の調査では水深 五メートルから二十メートル程度のあさいところを泳いでいた。産卵期の成魚の全長は平均で七十– 八十センチメートルだが、大きい個体では九十センチメートルをえることもある。なお、成熟速度がいちじるしく高く、海洋回遊二年で母川へ回帰するオス成魚は、五十センチメートルに満たない。親魚は川を上っている間、餌を食べない。オスはその間に体高が高くなり、上下の両顎りょうあごが伸びて曲がる。産卵・放精後の親魚は、一か月以上生きて産卵床を守るメスの個体もあるが、大半は数日以内に寿命がきて死ぬ。また、産卵期になると寿命じゅみょうが近く免疫力めんえきりょくが低下するため、遡上中のみならず、まだ海中にいるものでも水カビ病に感染かんせんし上皮が白く変色することがある。個体によっては一見すると、まるで真っ白な別の魚のように見えることもある。河川生活期は摂食せっしょく可能かのうな水棲生物を、海洋生活期は周囲に生息する餌としやすい生物を利用している。一方、サケ幼稚魚を捕食者としている生物は、汽水域でウグイ、海洋でホッケ、ヒラメおよびカラフトマスが確認され、サクラマスも捕食している可能性が指摘されている。また、海鳥類のウトウとウミネコは重要な捕食種と考えられている。更に、河川遡上後のサケはヒグマの主要な食料と認識されているが、ヒグマの栄養源のうちサケが占める割合は北米沿岸部の個体群では栄養源全体の三十パーセント以上であるのに対し、しれとこ半島はんとうに生息するヒグマでは栄養源全体の五パーセントにすぎなくなっているとされ遡上減による生態系への影響が懸念されている」

「海に向かって泳いでいる!」

ヒビキたちは、サケが海に向かって泳いでいるところを目撃したのであった。

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