第47話 採掘場は資材の宝庫

 ヒビキたちは、町はずれの森にある採掘場さいくつにいた。

「どんなものがあるのだろう?」

「楽しみだ」

おくへ進んでみると、

「岩がいっぱいある!」

くだいてみよう!」

スコップを使って岩をたたいてみる。

「ちゅぴ!」

「これは、てっ鉱石こうせき!」

「鉄は、金属元素のひとつで、遷移元素かんいげんそである。太陽や、ほかの天体にも豊富に存在し、地球の地殻ちこくの約五パーセントを占め、大部分は外核・内核にある。純粋じゅんすいな鉄は白い金属きんぞく光沢こうたくを放つが、イオン傾向けいこうが高いため、湿った空気中では容易にさびを生じ、時間の経過とともに見かけ上黒ずんだり褐色かっしょくへと変色したりする。一方、きわめて純度の高い鉄は、比較的高いイオン化傾向を有するにもかかわらず、塩酸えんさんや王水などのさんおかされにくくなるうえ、液体ヘリウム温度でも失われないほどの高い可塑性かそせいを有するようになる。この超高ちょうこう純度じゅんどてつは電解鉄を超高真空中で溶解電子銃を用いた浮遊帯ふゆうたい溶融ようゆう精製せいせいで処理することにより一九九六年に製造に成功し、二〇二〇年に日本とドイツに登録された。常温常圧ではフェライトが安定である。きょう磁性体じせいたいであるフェライトがキュリー点をえたところからオーステナイト領域までの純鉄の相は、以前はβ鉄と呼ばれていた。栄養学えいようがくの立場からみると、鉄は人にとって必須ひっすの元素である。食事制限などで鉄分を欠く時期が続くと、血液中の赤血球数やヘモグロビン量が低下し、貧血ひんけつなどを引き起こす。ちょうで吸収される鉄は二価のイオンのみであり、三価の鉄イオンは二価に還元されてから吸収される。鉄分を多くふくむ食品はホウレンソウやレバーなどである。動物性の食物起源の鉄の方が、吸収効率が高い。ただし、過剰かじょう摂取せっしゅすると鉄過剰症になることもある」

ヒビキとチララは、鉄鉱石をり当て、

「ええもん取れたで!」

「これは?」

「プラチナや!」

「プラチナは、単体では、白い光沢を持つ金属として存在する。化学的に非常に安定であるため、装飾品そうしょくひんに多く利用される一方、触媒しょくばいとしても自動車の排気ガスの浄化をはじめ多方面で使用されている。酸に対して強い耐食性たいしょくせいを示し、金と同じく王水以外には溶けないことで知られている。なお、同じく装飾品として使われるホワイトゴールドは金をベースとした合金であり、単体である白金とはことなる」

「何かに使えそう!」

ダイ大将は、プラチナを見つけた。

かべに何かがまっています!」

ミオが壁を掘ってみると、

「コハク、見つけました!」

「アンバーとも呼ばれているコハクは、西洋でも東洋でも宝飾品ほうしょくひんとして珍重ちんちょうされてきた。鉱物こうぶつに匹敵する硬度こうどを持ち、色は飴色あめいろ、黄色を帯びた茶色や黄金色に近い」

「これは、博物館に寄贈きぞうしなくちゃ!」

と、コハクを見つけたようだ。

 その頃、

「四つ目のクリスタルの情報を集めなきゃ…」

「そうだね」

トリップ号にいたゼルコバ博士とリアは、クリスタルについての情報を収集していた。

「あら!」

「これは…」

すると、

最先端さいせんたんの街だ!」

「しかも、私たちの時代と同じ!」

ゼルコバ博士とリアは、見覚えのありそうな町を見つけたようだ。

「みんなに伝えたいことがあるから、すぐにもどってほしい」

ゼルコバ博士はヒビキにメールを送り、

「すぐに準備しなくちゃ!」

「そうだな」

新たなクリスタルを探すため、トリップ号は準備を進めるのであった。

 一方その頃、アラシは町はずれの森にある採掘場にいた。

「忠告しておく。最先端の都市には危険がひそんでいることを…」

アラシはこう言い残して、どこかへと去っていった。

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