第12話 千里の道も一歩より

 ヒビキたちが天空の島にたどり着くと、

「待ってたのじゃ!」

長老ちょうろうが待っていた。

「どうじゃい?クリスタルは見つけたのじゃ?」

「はい!」

「サイショー地方で、ピンクのクリスタルを見つけたよ!」

「これはよかったのじゃ!」

それから、ヒビキたちは世界樹のいずみへと向かう。

「さあ、クリスタルを使うのじゃ!」

「ちゅぴ!」

チララがピンクのクリスタルを使うと、

「大きくなれ!」

「えいっ!」

花の妖精ようせいの力で、世界樹は大きくなった。

「残りのクリスタル集めも、頑張ってね!」

「まだまだこれからなのじゃ!千里の道も一歩よりじゃ!」

花の妖精と長老は、ヒビキたちにエールを送った。

 そして、

「ただいま!」

「お帰りなさい」

サイショー地方での調査を終えて、ヒビキたちはトリップ号にもどってきた。

「調査、おつかれ様」

「そうそう、あなたたちにこれをあげるわ!」

すると、ヒビキたちはリアからあるものを支給される。

「これは?」

「じょうろよ。植物に水をやるためのものなの」

虫取りあみとじょうろは、ヒビキたちの冒険ぼうけんに役に立つツールなのだ。

「実は私、フラワーアレンジメントが得意なの!」

「すごい特技だね」

ラビカの特技がフラワーアレンジメントだと明かすと、

「サイショー地方では、陸の自然の大切さを教えてくれた。未来に向けて豊かな大地を残すには、僕たちで考えるしかない」

ヒビキは、今回の冒険についてまとめた。

「ちゅぴ!」

すると、チララがあるものを持ってきた。

「今回は何を持ってきたのか?」

「モンシロチョウ!畑などの身近な環境でよく見られるチョウである。比較的ひかくてき採取さいしゅしやすいため、アゲハチョウの仲間やカイコなどと並び、チョウ目昆虫の生態や生活環を学習する教材としてもよく活用される。前翅まえはねの長さは三センチメートルほど。翅は白いが、前翅と後翅の前縁が灰黒色で、さらに前翅の中央には灰黒色の斑点はんてんが二つある。和名はこの斑点をもんに見立てたもの。また、春に発生する成虫は夏に発生する成虫よりも白っぽい。オスとメスを比較すると、オスは前翅の黒い部分が小さく、全体的に黄色っぽい。メスは前翅の黒い部分が多く、前翅のつけ根が灰色をしている。なお、翅にブラックライトを当てると、メスの翅が白く、オスの翅が黒く見えるため、オスメスの区別がよりはっきりする。紫外線しがいせんは人間には見えないが、モンシロチョウには見えると考えられていて、モンシロチョウはこの色のちがいでオスメスの判別をしているとみられる。全世界の温帯、亜寒帯あかんたいに広く分布する。広い分布域の中でいくつかの亜種に分かれており、そのうち日本に分布するのは亜種 P. r. crucivora とされている。幼虫ようちゅうの食草は、キャベツ・ハクサイ・ブロッコリーなどのアブラナ科植物なので、農業のうぎょうでは放置出来ない害虫で、農薬による防除ぼうじょの対象である。モンシロチョウは葉菜類の栽培に伴って分布を広げてきた。日本のモンシロチョウは、奈良なら時代じだいに大根の栽培と共に移入されたと考えられている。北アメリカでは、一八六〇年頃カナダのケベック州に移入され、現在では北はカナダ・アラスカ南部から南はメキシコ北部まで分布する。分布域を広げるためか、まれに大群を作って移動することがある。日本では、成虫が三月頃から十月頃まで長い期間にわたって見られ、年に四回ほど発生するが、発生する時期や回数は地域によって異なる。北海道の一部のように寒冷な地域では年に二回ほどしか発生しないが、温暖な地域では年に七回発生することもある。さなぎ越冬えっとうする。ふ化した時は自分のたまごからを、脱皮した時はその皮を食べる」

「すごいよ、チララ」

なんと、チララがモンシロチョウを採集したのだ。

「これから観察だ!」

ヒビキたちはモンシロチョウの観察をするのであった。

 一方その頃、ハミングタウンにはなぞの青年がいた。

「忠告しておく。新たな場所へのとびらが開いたことを…」

謎の青年はこうつぶやいて、どこかへと去っていった。

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