第11話 サイショー地方のクリスタル

 四季の花畑は春を迎え、ヒビキたちの決戦の時が来た。

「さあ、行こう!」

「うん!」

ヒビキたちがレンゲの花畑に向かうと、

「レンゲは、湿しめったところに生える。全体にやわらかな草である。くきの高さは約十五センチメートルである。根本で枝分かれし、暖かい地方では水平方向に匍匐ほふくして約百センチメートルまで伸びる場合もある。茎の先端せんたんは上を向く。また、根本から一回り細い匍匐茎を伸ばすこともある。葉は一回羽状複葉、小葉は円形に近い楕円形だえんけい、先端は丸いか、少しくぼむ。一枚の葉では基部から先端まで小葉の大きさがあまり変わらない。花茎はようえきから出てまっすぐに立ち、葉よりき出して花をつける。花は先端に輪生状にひとまとまりにつく。花色はべに紫色むらさきいろだが、まれに白色のかぶもある」

「あれは!」

「ぬしのモンスターだ!」

バラをモチーフとしたぬしモンスターが現れた。

「バラ属の成形は、低木、または木本性のつる植物で、葉や茎にとげを持つものが多い。葉は一回奇数羽状複葉である。花は五枚の花びらと多数のしべを持つ。北半球の温帯域に広く自生しているが、チベット周辺、中国雲南省からミャンマーが主産地で、ここから中近東、ヨーロッパへ、また極東から北アメリカへと伝播でんぱした。南半球にはバラは自生しない」

「勇気と友情があれば、何でもできる!」

クリスタルをかけて、ヒビキたちとぬしモンスターによる戦いが始まった。

「僕がみんなを守って見せる!」

「私に任せて!」

「クリアーリフレクション!」

「リボンチェーン!」

ヒビキとチララで守備を固め、サクラとラビカでぬしモンスターを拘束こうそくする。

「ここからは、僕の出番!」

「ステージ・オン!」

「そよ風シュート!」

「フラワースパイラル!」

ケンタとナツ、サクラとラビカによって、ぬしモンスターにダメージを与えた。

 そして、

「みんなの力よ、ここにつどえ!」

ヒビキ、ケンタ、サクラは力を合わせていく。

「トリプル・カラフル・ファンタジー!」

息をそろえて魔法まほうの筆をると、ぬしモンスターの撃退げきたいに成功した。

 「ちゅ、ちゅ、ちゅっぴー!」

と、チララはクリスタルのありかに察知。そこにたどり着くと、

「キャッチ!」

とクリスタルの回収に成功する。

「これは、ピンクのクリスタルだ!」

すると、ピンクのクリスタルから妖精ようせいが現れた。

「妖精は、人とも神とも違う性格と行動は、しばしば気まぐれと形容される。fairyの語はラテン語のfataの語に由来する。元々は天使であったがその座から降格こうかくされた存在とも言われる。狭義ではイングランド、スコットランド、ウェールズ、アイルランド、ノルマンディー地方などの神話・伝承の精霊せいれい超常的ちょうじょうてきな存在を指し、広義には他の国・地方・民族の同様の存在、たとえばゲルマン神話のエルフ、メソポタミア地域のリリス、インドおよび東南アジアのナーガなどをふくむ。日本ではこびと、妖怪、りゅう仙女せんにょ、魔女なども含まれるとされる。人間に好意的なもの、妻や夫として振るうもの、人にいたずらしたりだましたり、命をうばおうとするもの、障害として立ちはだかるもの、運命を告げるものなど、さまざまな伝承がある。コティングリー妖精事件の後は、絵画や文学の作品中で羽をもつ非常に小さな人型の姿で登場することが多い。世界中のさまざまな神話や伝承に共通する面が見られるのと同じように、同様の妖精が類型としてさまざまな名前や姿形で異なる地方、民族の伝承にあらわれる。英語のフェアリーの語源は古代ローマにさかのぼる。古代ギリシアの教養がローマに浸透しんとうしローマ神話が創成された時代に、人の出生に立ち会い運命を定めるモイラの三女神に対応するパルカの三女神が創造された。パルカは詩人などの知識人には受容されたが、民間には運命の定めを表すファートゥムの概念がいねんだけが受容された。運命の定めは民間で擬人化され、アウグストゥスの時代に改めてファータの三女神として再創造され、ルーマニアを除いた各地のロマンス族にファータ信仰が広がり、土着の宗教観念や妖怪伝承と混交した。妖精の起源にはさまざまなものが考えられ、被征服民族ひせいふくみんぞくの民族的記憶、異教の神や土着の神が神格を剥奪はくだつされたもの、社会的に差別・追放ついほうされた人々を説明するための表現、しつけのための脅しや芸術作品の中の創作、などが挙げられる。小さい姿に描かれたり、遠い場所に行ってしまうといった話は、意識の中で小さくなってしまった存在であるということを表している。神格剥奪のプロセスにおいては、ユダヤ〜キリスト教における天使、堕天使づいてんし、イスラム教におけるジンの由来と同様のものもあろう。ケルト族の神話や伝説にはいろいろな種類の数多くの妖精が登場する。ドワーフ、レプラコーン、ゴブリン、メネフネなど他の伝承の生き物と同様に、小人と呼ばれることもある。アイルランドではシー、スコットランドではディナ・シーとして知られている。人の姿をしたもの、同じ呼び名をもつものでも、その身長についてはさまざまな言い伝えがある。昔から伝わる妖精は人間と同じかもしくは人間より背が高いとされている。ブリトン族の人々は、妖精は冷たい鉄が苦手であると信じていた。歴史家や神話の研究者は、この迷信の存在から、ケルト族がやってくる前にグレートブリテン島に住んでいた人々の民間伝承が妖精の起源であると推測している。これらの人々の武器は石で作ったものだけであり、てつの武器をもつケルト族の方が軍事的に優位ゆういに立った。人の姿を取らない妖精も少なくない。旅人を惑わすウィルオウィスプは日本でいう鬼火、人魂じんかいである。家畜かちくや身近な動物の姿の妖精も多い。ねこは妖精的な生き物とされ、魔女の使い魔、魔女の集会に集まると考えられたり、そのものが妖精ケット・シーとされる。犬も、墓守あるいは死に結びつけられる黒妖犬として登場する。馬の激しい気性は、みのしがたい川の激流に結びつけられ川馬ケルピーや人を乗せて死ぬまで走る夜の白馬などとして登場する。今日は、妖精は人間に好意的で優しい性格の生物とされることも多いが、歴史的には必ずしもそうではない。例えば妖精が人間の子供をさらって代わりに彼らの子供を置いていくという取り替え子の迷信は中世では広く伝わっていた。このモチーフは吟遊詩人の歌の中に現れている。ウィリアム・シェイクスピアの『真夏の夜の夢』ではチェンジリングでさらってきた子をめぐってオーベロンとタイターニアが仲たがいをする」

「私は、花の妖精!」

そして、花の妖精が魔法を使ってきた。

「あれは、おやしろだ!」

「ハミングタウンにある!」

すると、四季の花畑の中心にお社ができた。

「さあ、行きましょう」

ヒビキたちは、お社の光に導かれて天空の島へと向かうのであった。

 一方その頃、

「忠告しておく。たった一つだけではここの平和を守れないことを…。ニュートピアを危機から救おうなんて、うぬぼれている場合ではない」

ニュートピアに、なぞの青年が現れた。

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