ニュートピア~Newtopia~

見習いさん

プロローグ 物語のはじまり

 ここは、この世界のどこかにある平和な大陸・ニュートピア。

「ぐふふふふふ…」

しかし、ある日のことだった。

「ニュートピア、そこはいつも堕落だらくに満ちている。だが、私がこの世界を変えて見せる!」

突然とつぜん邪悪じゃあくな力を持つ魔王まおうが時空のかなたから現れた。

「うわっ!」

「ぐわっ!」

すると、魔王によって住民たちの多くは行方をくらましてしまい、

「きゃー!」

「誰か助けて!」

ニュートピアを守ると言い伝えられているクリスタルは散らばってしまった。

 「ちゅぴ!何が起こっているのか!?」

こう語るのは、青いチンチラの男の子であるチララ。

「そういうひまは一切ない。こちらを見てほしい」

チララと同じ部屋で暮らしているのは、タビビトと名乗る男だ。

「今はどういう状況なのか?」

「時空のかなたから現れた魔王が、ニュートピアの平和をうばってしまった。しかも、クリスタルというニュートピアを守るものが各地に散らばってしまい、多くの住民が行方不明になっている」

タビビトからニュートピアの現状を聞いたチララ。

「じゃあ、現状を打開する方法は?」

「空の国から選ばれし戦士をここに招集するしか、策はない」

「空の国とは、人間たちが住んでいる地球ということだ!地球とは、太陽から三番目に近く、表面に水、空気中に酸素さんそを大量にたくわえ、多様な生物が生存することを特徴とくちょうとする惑星である。人類が住んでいる天体、つまり人類の足元にある天体のことである。地という字・概念がいねんと球という字・概念でそれを表現している。英語 やラテン語など他の言語でも多くは大地を表す語が当てられている。日本語において、この星を呼ぶ名である地球という単語は、中国語由来である。中国語の地球は明朝の西学にしがく東漸期とうぜんきに初めて見られ、イタリア人宣教師せんきょうしマテオ・リッチの『ひつじさる輿こし万国ばんこく全図ぜんず』がこの単語が使用された最初期の資料である。清朝後期に西洋の近代科学が中国に入ってくると、大地球体説が中国の人々によって次第に受け入れられるようになり、地球という単語が広く使われるようになった。当時の新聞申報の創刊号には地球説に関する文章が掲載けいさいされている。日本では、江戸えど時代じだいころにこの漢語が輸入ゆにゅうされ、一七〇〇年代頃の西洋せいよう紀聞きぶんや和漢三才図会に、使用例がある。幕末から明治期には、庶民しょみんも使うほどに定着した。地球は太陽系の惑星の一つである。その形は、ほぼ回転かいてん楕円体だえんけいで、赤道の半径は六千三百七十八キロメートルほどで、極半径は六千三百五十七キロメートルである。その運動に着目すると、三百六十五日強で太陽の周囲を一周し、二十四時間で一回 自転しており、太陽からの平均へいきん距離きょりは一億四千九百六十万キロメートルである。その内部は大まかに地殻ちかく、マントル、核の三部分から成っている。表面は大気におおわれている。放射性元素による隕石いんせきの年代測定と、アポロ計画によって持ち帰られた月の岩石分析から、地球は誕生してから約四十六億年経過している。太陽系の年齢ねんれいもまた隕石の年代測定に依拠いきょするため、地球は太陽系の誕生とほぼ同時に形成されたとしてよい。十個じゅっこ程度ていどの火星サイズの原始惑星の衝突しょうとつ合体がったいで形成されたと考えられている。太陽系内の惑星としては、太陽から二天文単位内の位置に存在し、岩石質外層とてつを主成分とする中心核を持つ地球型惑星に分類され、太陽系の地球型惑星の中で大きさ、質量、密度ともに最大のものである。組成は地表面からの深さによって異(こと)なる。地殻に存在する元素は、酸素とケイ素が主体で、以下アルミニウム・鉄・カルシウム・ナトリウム・カリウム・マグネシウムなどの金属元素がふくまれる。この元素別質量百分率はクラーク数としてまとめられている。ほとんどはケイ酸塩など金属酸化物の形で存在する。中心部分は鉄やニッケルが主体である。地表面の多く液体の水でおおわれており、地表から上空約百キロメートルまでの範囲はんいには窒素ちっそ・酸素を主成分とする大気がある。大気の組成は高度で変化する。地球はほぼ球形であるため、海抜かいばつゼロメートルの地表面に立った人が一度に見渡みわた(みわた)せる範囲は水平線が生じる半径およそ四キロメートルの円の内側に限られる。分かりやすい事例として、遠方に向かって航行こうこうする船,長い直線形のはし、水面に立つ送電用そうでんよう鉄塔てっとうの列は、水平線に近づくと下方にしずみ込み、海面に隠れてしまう事がげられる。また、電離層や通信衛星や中継回線を用いない無線通信にも、水平線までの見通し距離内でしか通信出来ないと言う制約が生じる。さらに、緯度いどが変わると夜間に見える天体に違いが発生する。地球が球体である証拠しょうこは生身の人間には実感しにくいため、かつては地球平面説が信じられた事もあった」

「なるほど、理解はできている」

そんなタビビトは、ニュートピアの平和を取りもどすためにある方法を見出した。

「チララ、君もここに向かってもらう」

「ボクのパートナーを見つけてということ?」

「そうだ。君もパートナーとともに成長してほしい」

チララは、タビビトからこんなことを告げられた。

「手ぶらで行くのは危険すぎる。これを受け取ってくれ」

すると、チララはタビビトからあるものを渡される。

「ちゅぴ?」

「これは、サファイアのマジカルジュエルだ。青いかがやきを持っている。サファイアは、言葉の由来は青色を意味するラテン語のsapphirus、ギリシャ語のsappheirosである。コランダムの中で宝石としての価値があり、赤色ではないものをいう。不純物の違いでい赤色のものはルビーとなる。青玉という名のように、濃紺のうこん青紫色あおむらさきいろをしたものと考えられているが、濃い赤色以外の様々な色、たとえば黄色や茶色、薄紅色うすべにいろなどのものもサファイアである。工業用に生産されるたん結晶けっしょうコランダムもサファイアと呼ばれる。ミッドナイトブルーサファイアとして流通するサファイアがあるが、インクブルーサファイアの色合いを呼び変えたものだ」

「ありがとう、大事にするね」

チララは、サファイアのマジカルジュエルをしっぽの中に収めた。

「パートナーとともに、ニュートピアの平和を取り戻してほしい」

「では、行ってくる!」

「気を付けて」

こうして、チララはニュートピアへ旅立っていった。

「さて、一仕事しなくちゃ」

それから、タビビトは選ばれし戦士になる資格を持つ子供たちに向けて手紙を書く。

「この手紙を受け取った君に伝えたいことがある」

と書き始めると、

「平和に満ちあふれていた大陸・ニュートピアは今、邪悪な力を持つ魔王によって滅亡めつぼうの危機にさらされている。そこで、君たちには選ばれし戦士としてニュートピアを守ってほしい」

とつづられていく。

「ニュートピアの未来がどうなるのかは君たちにかかっている。みんなを、クリスタルを、取り戻してほしい」

こう結んで、世界中の子供たちに手紙が送られていった。

「君たちの健闘けんとうを心からいのっている」

こうして、少年少女たちがニュートピアをめぐる物語が、幕を開けた。

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