♯クローバー

私は平和と呼ばれるをみんなにしたかった。

そして、欲しかったのだ。


–––彼は、いつだって私に花言葉を教えてくれた。

女々しいところが私は大好きだった。

私は素敵な意味を持つが好きだった。

彼と一緒に四つ葉を探したこともあった。

それは、見つかったのか。

そんなことすら覚えていない。

遠い昔だ。


私の正義は彼とはずれていて、私はみんなの敵だった。

だけど、私は今問いたい。

とは。

私の努力は必要なかった。

彼は、奴は、既に平和を知っていた。

それが私の中の悪だろうと、それを守らなければいけなかったのに。

でも、それは。

––私は今、クラスに火をつける。

目の前では花々がもがきながら枯れていく。

彼も。奴らも。

私は平和を守れなかった。

私一人の犠牲で、平和が守れたら。

守れたなら平和は続いていたのか?

でも、私は黒い正義を捨てて良かったのだろうか。

枯らしてしまった夢を私は目の前の光景と重ねる。

私には夢がなくなってしまった。

ただ、私は平和が愛おしかった。

それだけなのに。


そして私は自分を枯らした。

炎の中に飛び込んだ。

隣では落ちた私の花弁が染み込んでいった。

最後に私は口を動かし、思い出に浸った。



––クローバーには4つの花言葉があるんだよ。

『幸福』、『約束』、『私を思って』––


––「そして、『復讐』。」


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る