赤ん坊[後編]
まるで私は囚人かの様に、
医者「精神が不安定の為、薬での安定を図ります。
自傷行為も見られる為、拘束も余儀無いかと、、」
そう決められ、私はベットに拘束された。
私が何をしたの、、
苦しい日々、残酷な毎日、
何度も死のうとした、
震える手で、剃刀を握る手を、、
何度滲みながら見た事か、
やらなければもっと恐い思いをさせられた。
やっている方がまだ、偽りでも、変でも、
他人と重なる事で愛情を感じられた気がした。
私は抱き締められた事すらも、
その時が初めてだったのだ。
私のお腹から流れる血液と、
赤ちゃんと呼ばれる固体は、
ビニール袋の中へ。
端的に、縛られ、
ゴミへと変わった、
拘束された私を介護を名乗り、
好き勝手に私をレイプする。
あぁ、ことごとくついてないな、、
臭い息で私の体をなぶる姿は、
化け物の様にしか映らなく、
涙や恐いというものも無くなった。
ただ、早く終わって欲しいと心から願った。
それから私のトイレに赤子が居るのが発見され、
私は見事解放された。
勿論。私から誘っただとか、汚いとか、、
そう言った類いの罵倒や暴言を沢山振るわれた。
でも平然を装った。
いち早くも、ここから出たかった。
心はもう、ぼろぼろを越し、すかすかになった。
溶けて、周りさえも形を変え、歪なナニカになった。
結局大人は自らの自己満の為に、悪を糺し、
めんどくさくなると、理由をつけて棄てるのだ。
お金も無く、頼る宛もない私は、
人の多い都会で売春するしかなかった。
周りには同じような女の子が沢山居て、
初めて友達と言うものが出来た。
皆それぞれに似たような経験を抱えてた。
そうして、クラブで遊ぶ様になり、
薬にも手を出した。
それで、売人の彼と出会ったのだ、、
女性「私は彼の彼女だった、、」
記憶はその人達の理解して欲しい記憶が、
時として私を通す事がある。
「貴女は薬で亡くなったのですか?」
彼女の顔はゆっくりと元の顔へと戻る。
女性「違う。
私は薬で一時的に意識を失って、
そして、彼が私を死んだと思って、
私をバラバラにしたの。」
彼女が顔から下がないのには、
そうゆう理由があった様だ。
「赤ん坊は?」
赤ん坊は母親の顔を見つめる様に止まる。
女性「赤ちゃんは、、
育て様としたんだけど、、
彼が薬が切れてラリって、
殴って殺しちゃった、、」
「そうですか、、
貴女は辛い人生を送ってきた。
同時に沢山の過ちも送った。
それらをきちんと理解し、
反省し、またやり直しさない。
赤ん坊には何も罪はなかった。
貴女がしっかりしていれば、
貴女を救う存在となりかけた。
それを貴女は、、小さな命を、」
女性「ごめんなさい、
ごめんねぇ、、」
リンリンリン、
涙を溢す彼女を慰めるかの様に、
赤ん坊は母親の顔へと寄る。
リンリン、
女性はうっすらと薄くなる。
女性「一緒に行こうか、、」
リンリンリンリン、
赤ん坊は小さなガラガラを置くと、
母親の前から消えた。
「まだ、彼女にはやることが、
あるみたいですね。
先に行って、待ってあげて下さい。
次はちゃんと大切にしてあげて下さいね。」
『我、汝を還す者なり、
汝を導き、彼女を見守りたまえ、、』
白い光と共に女性は消え、
リンリンの音と共に去って行った。
「、て、下さい、」
「起き、だ、さい。」
「起きて下さい。」
男はダルそうに起きた。
チャラ「あぁ、」
「終わりましたよ」
チャラ「女は行ったのか?」
目を擦りながら、不意に言った。
「ええ、顔が半分だけでしたが、、」
男は真っ青になりながら、
そそくさと立ち上り、襖に手をかけた。
「お礼なんていりませんからね、、」
慌てて逃げるように砂利道を走る男に投げ掛ける。
「水子さんの供養しっかりして下さいね~。」
チャラ「ひぃぃ、、」
声にもならない声を出しながら門を出ると。
リンリン。
そう、あの音が鳴った。
「どういたしまして。」
子供は親が選べないと言い、
子供は親を選んで来るとも言います。
繋がれた縁は切っても切れず、
子供は大切な国の宝でもあります。
最後までちゃんと導き、
突き放したり、甘やかすだけでなく、
きちんと見届けるのも、大人の役割です。
仕事や軽い人情で拾うのではなく、
最後まで、その子が自分で歩いて行けるまで、
そこまでが私達大人の仕事です。
たとえ、血が繋がってなくとも、
性別や人種。種が違っても、
助ける者も助けを求める者も、
互いに成長し合い、
互いに歩み寄る事が大切なのです。
リンリン、
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