2-どれだけうさんくてもギルマスです
【GM】 :えー……ギルマスの部屋のイラストを用意してなかったんですが……(※ココフォリアでギルド風景や草原などの背景を用意している)とりあえずレンガの家づくりの外観で代用します。
みんな、ギルマスの部屋にいると思ってくれ。想像しろ。想像力を働かせろ。
リュシアン:ああ……見える、酒の棚が……見える
【GM】 :ああ見えるだろう、存分に見えるだろう
リュシアン:見える……高そうな酒が並んでいるのが見える
【GM】 :さて、いまさらだ君たちは冒険者パーティーの名前はあるか?
ティア :怠惰な聖拳
メルリル :森の四戦士
リュシアン:リュシアンとゆかいな仲間たち
ハクマ :猛獣使い
【GM】 :ではこの中から1d4をふります……(コロコロ)3。なので、3番目は……
ティア :GM!?GMいま閃光弾喰らってない!? 今何も見えてないよね!……(裏でダイス振りなおしコロコロ)3……!?
同じ、だと……!? GMまだ閃光弾くらってて!……(コロコロ)1。はい、1番目なので、『怠惰な聖拳』です!
GMが閃光弾に喰らってる間に『怠惰な聖拳』に決まりました!
リュシアン:一番選ばれなくてはいけない名前が二回選ばれてるんだが
【GM】 :ギルマスが『怠惰な聖拳』の君たち4人を迎えます。
***********
高級なお酒がたくさん並んでいる(らしい)ギルドマスターの部屋。
パイプで煙草を吸う、そこそこ美中年の男性が四人を迎える。おそらく何も知らないで彼を見たら「詐欺師かな?」と思える、うさんくさそうな外見。
そんな彼こそが、このギルドのギルドマスターである。
ギルマス :「おー四人とも、今日も稼いでるかぁ?」とうさんくさい男がうさんくさく話しかけてくる。
ティア :「ゴザブロウさんは今日も胡散臭いですね」
ギルマス :「オレの名前はスオウだと何度言えば……いや何度言ってもお前は覚える気はないんだったな」
メルリル :「ギルマスもお疲れ様です。私たちもお仕事頑張ってますよ」
ギルマス :「そうだな、お前たちはうちのギルドの稼ぎ頭だからな。まァそんなやつらに今回の依頼はどうかと悩んだんだが……」といってリュシアンのほうをチラッと見る。
「まあ今回はメリアのヤツがいたほうが話がわかりやすいからかもしれないからな。お前らに頼みたい依頼があったんだ」
リュシアン:「かまいませんが、一体どのような?」
ギルマス :「簡単に言っちまえば、このギルドと、とあるメリアの子と一緒に管理しているマンドレイクの薬草畑があるんだけどな。こっから馬車で一日くらいかな。ちょっとそこに行って調べてきてほしいことがあるんだよ」
メルリル :「マンドレイク畑ですか? なかなか貴重なところですが……私たちが足を踏み入れてもいいんですか?」
ギルマス :「ああ、だから信頼できるやつらにしか頼めねえってわけよ。高価なマンドレイクを狙って盗賊やごろつきどもが結構入り込むからな」
**********
【GM】 :ちなみにギルマスが持っているパイプはマンドレイクの種がはいったパイプで1350Gです。1Gは100円くらいです。
メルリル :たっか。日本円で13万円くらい?
【GM】 :それくらい高価です、マンドレイクの種っていうのは。
マンドレイクの種自体が1500Gするので、マンドレイクはめっちゃ貴重だと思ってください。
根だけで100Gなんですけど、日本円で一万円くらいかな。それくらい高価な薬草畑です。
メルリル :大根一本で一万円くらいするわけだからね!
**********
ギルマス :「とはいってもマンドレイクも魔物だからな。普通のやつらには任せられないから、オレらのところでメリアと一緒に管理してるってわけよ」パイプから煙をすぱあーっとさせながら。
メルリル :「それで、依頼というのは?」
ギルマス :「数日前にうちの冒険者、妖精剣士のやつなんだがな、マンドレイクの収穫を頼んだんだけど戻ってこねえんだわ。何の音沙汰もねえの。道の途中でなんかあったのか、薬草畑でなにかあったのか、それもわからんくてな。第一陣、というかその調査とついでにマンドレイクの収穫をお願いしたいってワケさ」
メルリル :「ふむふむなるほど。ちなみに妖精剣士さんは依頼に出発してからどれくらい経っていますか?」
ギルマス :「それがよお……あいつソロで行動してっからよ、いつ出発したかわっかんねえんだよなぁ」困ったように頭をかきながら。
「オレが頼んだのは……4日前。まあ準備に一日使って3日前に出発してるかもしんねえな。とはいっても3日も音沙汰ねえってのはおかしい話だしな」
メルリル :「収穫だけだったら一日と半日で済むでしょうしね。」
ギルマス :「そうそう。だからどっかの酒場で暴れてんのかなーって思ったんだけどそういうわけでもないしさあ。オレが昨日酒場行って聞いてきたからそれは間違いないんだわ」
メルリル :「早めに安否確認するにこしたことはないでしょう。もしかしたらお仕事大変すぎて独りで困っちゃってるかもしれませんし」
ギルマス :「ま、何事もなければいいんだけどよ。大事な薬草畑っていうのもあって、下手な奴らに頼めねえのさ」大げさに肩をすくめながら。
メルリル :「なるほど、了解しました。みなさんはこの依頼受けるって方向性で大丈夫ですか? 私は妖精使いさんが心配なのでいきたいんですけども」
ギルマス :「おお、行ってくれるか! 助かる!」
メルリル :「はい。私一人だとどうしても魔物達を倒すのは不向きなので、せめてリュシアンだけでも……」
リュシアン:「もちろん、メルリルが行くなら僕も一緒に行くよ」
ギルマス :「おいおい、お前ら依頼をデート気取りか?」
ティア :「まあそこは置いときまして……」不敵な顔つきをする。
「なんにせよ、まずは報酬の話ですよ。ねぇギルマス?」
ギルマス :「あーあー、大丈夫だって。お前さんがそういうっていうのはもちろんわかってるつうの。お前は金が関わるところは妥協しねえからなぁ……報酬上乗せしようとまでしてくるしよ。
ほら、こいつが正式な依頼書だ」
そう言って、あらかじめ用意してあったのだろう。
ギルドマスターのサインが入った依頼書を4人の前に広げる。
―――― ギルドマスターからの依頼 ―――
①いなくなった行方不明者の探索 報酬 3000G
②マンドレイクの納品 報酬 一体につき500G
ギルマス :「マンドレイクは3つあると助かる。とはいっても……10体や20体もばっさばっさばっさばっさ収穫されたら今後の収穫に影響があるからな!? 多くても大体5体くらいが目安としてくれ」
ティア :これまでの軽い口調を一転して、真剣な声音で尋ねる。
「もちろん妖精剣士探しはやりますよ。ただなにかしら、行方不明の原因となった異常な原因があった場合――その原因の排除に動いた場合どうなります?」
ギルマス :それに対して、アッサリ・バッサリと言い切る。
「そんなもんは場合によるな。ケースバイケースだ!」
メルリル :「でもティアさん。行方不明者が被害を被っていたら助けるのは当然のことでしょう?」
ティア :「何を言ってるんですが? メルリルさん」
メルリル :「え、た、助け合いって大切ですよ!?」
ティア :「もちろん助け合いは大事ですよ。でもあたしたち冒険者も、命あってのモノだねですから。先立つものがなければ、あたしたちは生きていくことさえできないんです」
ハクマ :「まあまあ、ティアは相変わらずがめついとして……。オレは行方不明のやつがケガをして動けないかもしれないっていうならさ。報酬云々は気にしないけど、とりあえず行方不明者のやつを探したいな。あと……その、なんだっけな……そうそう、そのついでにマンドレイクをとりにいくのって、オレらくらいのランクしか頼めないんだったら受けてもいいと思うけどな!」
リュシアン:「いやぁハクマさん、頼もしいですね」
ティア :「みなさん……警戒心が薄いのでは?」
メルリル :「警戒心ならありますよ。ただ困ってる人を助けるのは世の常です!」
ハクマ :「ギルマスの依頼に警戒心抱いてたらいちいち依頼を受け入れられないだろ?」
ティア :「ギルマスの依頼に警戒心を抱いているわけじゃないですよ。この異様な状態に警戒心を抱いているだけで」
リュシアン:「警戒心が高いほうが助かります。なにかあったら全力で僕も戦いますから」
**********
ティア :PL的に言うと、危険度が一番高いんですよ私。斥候(スカウト)だから! 隠密で危険な場所に侵入したりするんだよ! 全力なんだ私は!
**********
ギルマス :パイプの煙をぱぁーーっと吐き出しながら。
「ティア嬢の言うことはもっともだ。お前さんが優秀なスカウトってことはもちろん知っている。んー……でもなあ、オレも最近あそこの薬草畑に行ってねえんだよなあ」パイプをくゆらせながら顎に手を当てて。
「さっきも言った通りな、薬草畑の管理に協力してくれてるメリアの管理人がいる。薬草畑の近くにその子が住んでる管理小屋があるから、薬草畑のことを聞いてくれ。もちろん紹介状は書いとくさ」
メルリル :「そうですねえ。そちらに妖精剣士さんがきていたか管理人さんに聞いててから、捜索する流れになりそうですね」
ハクマ :「そうだなあ。ここにいてもギルマスもこれ以上のことは知らないだろうし。早く現地にいったほうがいいんじゃないのか?」
ティア :「そういえばその現地ってどこなんです?」
ギルマス :「そうだなあ、川とか橋を越えた森の中にあるぞ。馬車で1日くらいだ」
メルリル :「じゃあもしかしたら川に流されてるかもしれないですね」
ギルマス :「いやあいつ冒険者レベル9だぞお!?そんなことはないと思うが」
**********
リュシアン:9!? たっか!
(※GM注:このひとは冒険者レベル9です)
ティア :冒険者レベル9はリュシアンと同じだよ。同僚だよ
リュシアン:つよい。つよーい。
(※GM注:このひとは冒険者レベル9です)
**********
ギルマス :「だから! 高ランクのお前らに頼みたいってわけよ。オレもこれ以上、詳しいことはわかんねえ、だってお前らにその『詳しい内容』の調査を頼みたいって話だからな」
メルリル :「ちなみにその妖精使いさんのお名前や容姿は?」
ギルマス :「妖精使いの名前は、フォースだ。人種は人間だ。あと妖精使いだから、あいつら妖精の宝石いれる箱みてえなのもってっから、見たらわかるだろ。アルケミーキットみたいなもんだ」
**********
【GM】 :妖精剣士――フェアリーテイマーは、妖精を呼び出すための宝石やそれをしまうケースを身につけなくてはいけないので、よっぽどローブを着こんでるとかじゃない限りはわかるでしょう。
ティア :あと遅くなったけどリーダー決めとこう。リュシアンにしよう。冒険者レベル9だしね!
**********
リュシアン:「わかりました。それじゃあうちのパーティーメンバーに異論がなければその依頼、受けさせていただきます」
ギルマス :「さすが”リュシアンと怠惰な聖拳たち”だ。助かるぜ」
リュシアン:「あれ!? なにか名前が混ざってるような!?」
メルリル :「では行きましょうか。みなさん準備などは……」
ティア :「そ・の・ま・え・に!」強い言葉で「ギルマス、今回の依頼はギルドのほうで馬車を出してくれるんですか?」
少しでも費用をケチろうと、金にがめついティアはニコニコ笑顔で詰め寄っていく。
ギルマス :少し考えながら「まあ今回は……オレの依頼だからなぁ。ギルドのほうで用意しても……」
メルリル :「出してくださるんですか?」
ギルマス :「いやお前らが走りてえってんなら出さねえけどよ」
メルリル :「イヤです。ぜったいイヤです」
ギルマス :「筋トレ感覚で森まで走りてえってんなら止めねえよ?」
ハクマ :「いやあ、さすがに馬車で一日かかる距離を徒歩で行こうとは思わないぞ! 馬車だしてくれるなら出してほしいな!」
ギルマス :「ハクマ、お前は一言いったら森まで走っていきそうだけどなあ?」
ハクマ :「(悩みながら)走っていけと言われたら走っていけなくもない……が、ほら! 他の三人はそういうの向いてなさそうだろ!」
リュシアン:「それも楽しそうですけどね」
ハクマ :「えっ」
メルリル :「一時間歩いただけで私は足がくがくですよ!?」
ギルマス :「まあまあ、こっちで馬車は用意する。ただ、今はあちこち交易してっからよーあいている御者がなあ……そうだな、お前らリスラムと知り合いだったな? リスラムに御者頼むかぁ」
メルリル :「御者できるんですか?驚きです」
ハクマ :「飲酒運転にならないか? 酒飲んでなかったか?」
**********
【GM】 :リスラムは飲んでねえ! まあリスラムは馬車で飲むだろうけどな! 常にワイン持ち歩いてるからな!
**********
ギルマス :「んじゃまあ、こっちからリスラムに頼んおく。2、3時間したらギルドの前にきてくれたら馬車用意しとっから!」
そうして4人は無事にギルマスからの依頼受付を終了。
ギルマスの部屋を出て、今後の方針をパーティーで話し合う。
リュシアン:「まあティアさん、細かい報酬はおいおい話していきましょうか」
メルリル :「そうですね。報酬は山分けとして……マンドレイクは一人一本で、4本でちょうどよさそうですね?」
ハクマ :「まあそんな荷物にもならないだろうし。一人一本ずつで丁度……いいんじゃないか?」
リュシアン:「メルリル、君はそんな非力な体で一本抜けるのかい?」
メルリル :「が、がんばりますっ! ムリだったらお願いしますね」
リュシアン:「わかった。じゃあみんな、支度だけは整えてくれ」とキリっと指示をしてから、
「ああ、僕は部屋で酒を飲んでるから時間になったら声をかけてくれ」とキリっと宣言する。
メルリル :「今からお仕事ですよ!? リュシアンがお酒を飲まないように、時間まで見張りますからっ!」
**********
【GM】 :みなさん。なにか支度はないですか?
(※このタイミングでアイテムなど、必要なものを購入していい時間としています)
**********
ハクマ :「準備はばっちりだぜ! 『まいにち もっていくもの』っていうメモがあるからな!」
ティア :「あいかわらずバカなのでは?」
メルリル :「バカだなあ」
ハクマ :「三人が……ちゃんとオレのために『これを持っていきなさい』ってメモ書きくれたからそれを見て……」
**********
【GM】 :ハクマは物事を4つ以上覚えられない呪いにでもかかっているんですか?
**********
メルリル :「ハクマさん、おやつは10Gまでですよ?」
ハクマ :「10G!? 少なくないか!?」
(※GM注:日本円で千円です)
リュシアン:「ハクマさん、こちらの手荷物に入らないのでそっちの荷物に僕の酒瓶をいれてもらえませんか?」
ハクマ :「酒は重いしな! オレは力あるし、いいぜ!」
ティア :「ハクマさん、その瓶はいざというときに敵に投げて目くらましに使いましょう!」
リュシアン:「待ってください待ってくださいッ! その酒いくらしたと思ってるんですか!?」
メルリル :「(むっとした顔で)あなたがいっぱい飲み過ぎるからですよ」
ティア :「(呆れながらため息)依頼中に、酒をの・ま・な・い」
メルリル :「そうですよ、それでフラっとなってザックリいかれたら終わりですからね!」
リュシアン:「みなさんヒールポーション飲むじゃないですか。それと似たようなものです!」
メルリル :「私というものがありながら……ポーションなんか飲むんですか?」じとぉっとした顔でうらましげにリュシアンを見る。
リュシアン:メルリルの言葉に焦りながら「例えです、例えですよメルリル! お酒は……その……ひかえる……ように、こころがけ、ます、はい」
メルリル :「お酒はお仕事終わってからですよ? それまで禁止です!」
リュシアン:「わかりましたわかりました」
ハクマ :「預かった酒は……敵に投げてもいいってことだな?」
リュシアン:「(さらに焦りながら)わかりました! わかりました! 酒は置いていきましょう! このままだと投げて捨てられる!」
ハクマ :きょとんとした様子で「いいのか? 荷物にならないからいいんだぞ?」
リュシアン:お酒を守るために必死になりながら「ティアさんにぶん殴られそうなので置いてきましょう! さ、さあ! みなさん、準備が大丈夫でしたら、行きましょうかっ!」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます