第365話 タイムマシンMIM(ミム)

「マーシャンのタイムマシン、MIM(ミム)の可能性があります」


 そうか、マーシャンのタイムマシーンにも、やはり会話は出来ないが管理AIは居るんだよな。

 しかし、その管理AIは、今どこに、、?、いや、それ以前に、そのタイムマシーン自体は、一体どこに行ってしまったんだ?。


「今、それを私たちが感じると言うことは、彼女はまだ近くに居ると言うことです、それも、かなり近くに、、、」


 玲子君は、再び歯切れが悪かった。

 それを見つけるという事が、何か問題でもあるんだろうか?。


ミスズレディー、、、かまわない、はっきり言ってくれないか、俺たちは覚悟が出来ている」


 どうしたカシラビ、、、ゼンガも、、表情が異様に固い、というか、怒っているな。


「、、、カシラビさん、あなたのお気持ちは理解しています、ただ、確証が無い以上、ここは私に預けてもらえませんか?」


 何?、何でカシラビと玲子君が二人で話を進める。

 カシラビは何か気づいているのか?。


「カシラビ、なんだよ、何か感じているのか?、俺たちにも話してもらえないか?」


すると、ゼンガが間に入って持論を述べだした。


「ユウスケ、これは子供を殺された父親としての勘だ、だから間違っているかもしれないが、、、エムディが生きているってことだ」


 、、、、ああ、、、なるほど、、、そう言うことか、、、、やはりあの爆発では、マーシャンは死んでいないんだな。


「、、、確かに、あの爆発の後、マーシャンのタイムマシーンが消えていた。俺ももしやと思っていたが、、、」


 それは、多分誰も心の中で思っていたことかもしれない、しかし、シズという最大の強みを失った我々では、マーシャンを追いつめる事は極めて困難な事だろう。

 そんな俺の思いを、まるで打ち消すように、彼は部屋に、、、居た。


「お困りのようですね、大丈夫です、GFの事は、最初から、しっかり見ています、本来は干渉出来ないのですが、、、特別にGMの許可が出ましたので、参りました」


 そこには、既にシズ妖精の姿ではない、元の姿の、、管理人が居た。


 いつもなら、本当に怖いと感じる所だが、この期に及んで管理人ほど頼りになる人物はいないだろう、、、、人なのかは別にしてだが。


「やあ、管理人、久しぶりだな、、、、シズの部屋で別れて以来だな」


「GF、、、シズの事、心中お察し致します、今回は、、、、GMご自身もGFの涙に心打たれ、たまりかねて私を派遣されたのです、GMは、、、とても悲しまれていました、そして、、、AIに深い愛情を注いでくれて、ありがとうと、ご伝言を言付かってきました」


 無表情のはずの管理人が、最後の言葉を俺に言うとき、心なしか涙声のように感じられた。

 それを見て、一番驚いていたのが玲子君だった。

 どうやら、この光景は本当に珍しいことのようだった。


「管理人様も、シズを偲んで頂けるのですか?」


 玲子君も少し涙ぐみながら、管理人に聞くと「私はGMの想いが流れ込んでいるだけだ」とだけ答えた。

 俺にはよく解らない理論だが、少なくともこのGMという人物は、シズの死を悲しんでいることは間違いないようだった。


 一体、GMって何者なんだ?

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