第76話 世界地図の真実

『実は、GFのいた世界も、ほんの1000年前までは、こことそれほど変わらない世界観なのです、事情があって、そうではない世界とされています、そして、人類はそのような世界を一万年以上前から過ごしてきたのですが、遺跡などで残りにくいのです」


『いきなり凄い情報が、勢いよく入ってきたが、遺跡が残らない理由って何なんだ? 古代に核兵器でも使用されたのか?」


『いえ、核兵器のようなものも使われていますが、一番の理由は、文明が発達した地域のほとんどが現在は海底にあるからです」


 ん?、海底?アトランティス大陸みたいに海に沈んだということか?

 それにしたって、それならば全世界規模でそれはあるはずだ。


 、、、今、さりげなく、核兵器使われたって言ってなかったか?


 おいおい、世界史が全く変わってしまうではないか。


『そんなに簡単に世界中の都市が海に沈まないだろう」


『そうでもないんです、現在の海抜は、昔に比べて150m前後も高いんです」


『どうしてそんなに海抜が高くなったんだ?」


『聞いたことありませんか?、ノアの箱船伝説です」


『え、、、あれって、、実話なのか?」


『伝わり方の問題もありますが、大洪水は本当にありましたし、一回ではありません。その洪水の水はまだ完全には引いていない状況です、なので海抜が高いままなのです」


 おいおい、ってことは、今現在とは大洪水の後の世界で、洪水はまだ終わっていないということか?

 では、この俺たちがいるこの世界も、洪水や天災があって、俺たちの世界とは国境だけではなく、世界地図自体が少し違うということか。

 だから戦略構図を作っているときに、場所の特定がしにくかったんだな。

 それが解ると、なんだかぞっとする、俺の知らないことでこの世界は満ちているんだな。

 食卓に目をやると、違和感なく皆もんじゃ焼きをヘラを使って食べている、、、そうなのか、これが世界線を跨いだ記憶なのか。

 記憶や意識って、横に並んでいても伝わってくるものなんだな。

 なんだか、壮大な現実を聞かされたあとだから、食事の味が入ってこない、逆にテーブルマナーなんて考えることなく普通に食事をしてしまった。

 そんな中、何の脈絡もなく、ベナルが意を決したように発言する。


「マキュウェル様、私、軍師ベナル・アイラベルは、この戦いに勝利した暁には、ここにいるリラル・オムイル嬢に求婚したく考えております」


 、、、、はっ?、え?、何でそんな話しになった?

 え、そんな流れの話しだったっけ?

 そもそも戦いに勝利って、まだ戦なんて始まってもいないよな。

 っつうか、ベナル、君にはムスキさんがいるだろう!。

 ああ、もう女性陣全員、両手を口にあてて頬を紅潮させて、玲子君に至っては涙滲ませて、、、なんで一番交友の浅い君が真っ先に泣く?


「おめでとうございますベナル様、リラル様」


 玲子君が真っ先に祝福した、、、、しかし、リラルは下を向いたままだな、、、大丈夫か?


「どうされましたリラル、あなたのお気持ちを、ベナルに伝えなさい」


 リラルは少し困った様子だった。



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