第34話 雄介様に敬語を?
彼女は寝起きの姿で、俺の電話相手を聞いてきた。
勝手に電話したことを、彼女は怒るだろうか。
とりあえず、俺は実家に電話したこと、そこで、管理人と話したことを彼女に告げた。
「あら、管理人が、雄介様に敬語を?」
えー、最初に飛びつくところが、そこ?!
一応、大人同士の会話だし、そりゃお互い敬語になるでしょうに。
「敬語がそんなにおかしいのか?」
「はい、管理人は、現世人類には公平に敬語を使わない習慣があるのです。さすがですね雄介様、管理人にまで慕われて」
えー、あれって慕ってるの、俺の事?結構ぶっきら棒でしたけど?
「しかし、実家の父親と弟が気になる、確認する方法はないのか?」
「いえ、、、管理人が、許容量の話をしたのであれば、ここは連絡すべきではないと思います。」
「許容量って、なんの許容量なんだ?」
「はい、世界崩壊の許容量です」
だーかーらー、世界崩壊はやばいって。
何でそう冷静なの?
「でも、変ですね、こんなレベルで許容量なんてとても超えないはずなのに、、、もしかして、雄介様の周囲で起こることは、例外的に許容量を超えてしまうのかしら。」
「大丈夫なのか?GFって、そんなに影響力があるものなのか」
「もちろんです。世界を救ったのですから。雄介様の身に何かあれば、その後の世界は大きく変わってしまうでしょう。」
なんだか、未来の俺って、凄まじいな。
全く自覚がないのも、もういい加減、気持ち悪いわ。
「あの管理人が豹変して、俺たちを襲うことはないのか?」
「それはまずありません。彼らは修繕プログラムですから、直接人を殺めることは任務外です。ただ、先ほどの、雄介様に敬語を使って話していたことが、少々気になります。なぜ、雄介様だけが全人類の中で例外として扱うのか」
へえ、俺だけに敬語使うんだ、じゃあ大統領や王族にもタメ口なわけ?
、、、なんか俺、エライじゃん。
しかし、一体どうやって俺は世界を救ったんだ?
「それほどまでに、未来の私は世界を救ったのか?どうやって?」
「申し訳ありませんが、その質問にだけはお答えできないのです」
ああ、そう言えばそうだったね。
「それでは、今日は、どのようにして過ごす?ここに敵は来ないんだろう?」
「そうですね、ここには来ないと思われますが、先ほどの管理人の話が少々気になります、マーシャンと相談してみますわ。」
「そうだな、私も、もう少しここに居られたらうれしい。」
実際、日中の基地内も見てみたいしね。
何かあった場合に、逃げ道もわからないよ。
「それでは、夜が明けましたら、基地内をご案内しますわ」
彼女は、ちょっと嬉しそうだった。
よっしゃー、人生初デートじゃい!
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