第4話
たどり着いた先は、小さな公園だった。
小さな木のベンチが置いてあるだけで、あとは雑草だらけの地面だった。
何もない……。素直な感想だ。
でも居る。感じる。
かすかに感じた霊感は、この公園に来て分かった。
子供かあ……。
まったくこの公園に一体なんの未練があるっていうのか……。
しかもこの感じ、うろちょろうろちょろ動き回ってやがる。
「おねえさん、もしかして僕が見えるの?」
私はギョッとした。
周りを見渡すが、誰もいない……。
だとすると……まさかね!
私に幽霊の声なんて聞こえる訳がない。
でも悪寒を感じる。なんかヤバい……気がする。
冷や汗がドバドバ出てきて止まらない。
「さっきから僕を見てるけど、見えるの?」
ヤバいってこれ、返事したら呪われて殺されるかもしれない。
こわいこわいこわいこわい……誰か助けてー。
私は体験した事がない恐怖で動けず、子供の幽霊の気配を感じながら黙っていることしか出来なかった
それからどのくらい時間がたったのだろう……。
数年にも感じる、長い沈黙があった。
まあ実際には数秒だと思うけど……。
「なんだ違うのか……」
子供の幽霊がぽつりと言った。
私は安堵した。
(助かった……)
心からそう思った。
「誰か僕を……助けてよ……」
その瞬間ハッとした。
幽霊が泣いている……。
見えないけど、その時はっきり分かった。
この子供の幽霊は誰かに助けを求めている。
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