永井路子

 週末、別サイトで戦国もの短編の表紙絵を描かせていただいていて。小袖の文様とか調べていたら、つい思考が戦国に(笑)

 

 流れをぶったぎって歴史小説に行きます。

 ホントは上橋菜穂子の予定だったのに~

 

 永井路子。

 前回と同様のツッコミですが、「ラノベじゃないし!」……はい。


 歴史物、特に女性主人公では、この方が一番だと思います(こーじー比較)。

 

 で、戦国ものの中でもお気に入りは「乱紋」ですね。浅井江が、主人公。


 何がいいって、このお江のキャラクター! 

 大河ドラマイメージしちゃダメです。

 というか、おそらく歴史物でここまで自分で動かない主人公はいないんじゃなかろうか?

 というか、本人はほとんど語らないし。

 

 凡庸でぼんやりしてて、自分の欲求というものを出すことがなく、流されるまま政略結婚を繰り返し、最後は徳川母系に浅井の血筋をしっかり植え込む。


 ところが、本人は全く腹芸も思惑もなく。


 周りが右往左往しているのを、他人事のように見ているだけなんですよね。


 歴史的には対立したと言われる姉の淀君や春日局も、向こうが勝手に敵愾心もっているだけ。


 お江、お江与の方、というと嫉妬深く息子も弟を溺愛、とか、ネガティブなイメージですよね。このお江も違う方向にネガティブなんだけど。


 なのに、魅力的なんですよね、何故だろ?



 永井路子と言えば、こーじーの傾向としては上代古代ものの比率が高いんですけどね。


 一番最初に読んだのは「美貌の女帝」元正天皇=氷高皇女のお話。


 こちらは、天皇になったがゆえに愛する長屋王と添い遂げられず、その後も妹の皇女と結婚した長屋王を心密かに慕い続け、陰謀から救いたいと奔走しながらも悲劇は起きてしまうんですけど。「長屋王の変」ですね。


 あと、万葉集にちなんだ短編も数多く。

 古代ものでも、言葉選びが平易なので、読みやすく歴史小説の取っつき始めにもおすすめです。

 短編は有名人だけでなく、庶民も主人公や語り手だったり、ミステリー要素もあったりします。


 あと、小説から外れちゃうけど、歴史上の女性達を扱ったエッセイも面白いです。

 古代から近年まで網羅されていて、文学作品や歴史上の出来事と分かりやすくリンクされてて、他の作品への興味も引き出してくれます。


こーじーの好みで、持っているの奈良平城以前か戦国以降と偏ってます。室町辺りも今度読んでみようかな。




 

 




 

 

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