彗星と流星の交わり
琴葉 刹那
プロローグ 星に憧れた少年達
俺は田舎の山奥で星を眺めていた。膝いっぱいに「星・星座大全」と銘打った図鑑を広げ目をキラキラさせていた。
「あれが夏の大三角か。」
と、呟きながら両手で三角形を作る。そのとき図鑑が膝から零れ落ちたが、そんなことには気付かず、ただ夢中で三角形を重ねた。
「わぁ。」
・・・そんな声が出ようとしたときだった。
「!?」
青、否蒼色の星が一筋の光と水色の弧を描きながら通り過ぎていった。
(あんな輝きを放つ星は見たことがない!)
俺は混乱する頭を落ち着かせ、草の上に横たわっている図鑑を拾い上げる。そして猛スピードで指を走らせ頁を繰る。あの美しく輝いていた星の名はその最後の頁に載っていた。
「・・・彗星・・・」
そう呟き、俺は先程の出来事を静かに思い出す。
夜空を走る彗星。それを思い浮かべると「なりたい。」と思った。
「あんな風に輝いてみたい。」
そんな想いが少年の心に芽生えた。
◆◇◆◇
夜、僕は部屋の窓から空を眺めていた。それはただ、ぼーっとしていただけだった。
・・・いや、だからだろうか。
あのとき、空をよぎった一筋の流星に目を奪われたのは。
一瞬だった。でも、僕の中に何かが宿った。
流れ星に願いを三回唱えると、その願いは叶うという。それに科学的根拠はない。でも精神的な支えには、間接的には関わっているのかもしれない。
僕はそのとき、流星の様に人の願いを、夢を叶える存在になりたいと想った。そして、もう過ぎ去り一抹の光すらも見えなくなった夜空に、流星に願った。
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あとがき
はじめまして、琴葉刹那です。読んでくださってありがとうございます。初投稿なので拙いのは大目に見てくださると幸いです。これから先視点の人物であっても「俺」とか「名前」とか合間合間の文章、ええと上で言う「僕はそのとき」の「僕」が「名前」になったり「僕」になったりします。(説明下手ですみません)が、基本は「名前」でいこうかと思ってます。
さて、この二人の物語がどうなるのか。最後まで見届けてください。どうかよろしくお願いします。
・・・この物語を読んだ皆さまが幸せになりますように、星に願いをかけて。
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