第2話⑦『自分の意思で隠れる』ということ
約1日後の深夜。
隆は病室で目を覚ました。
もちろん、『あの島』の病院で、だ。
徹ともう1人の助手である水上 直人(みなかみ なおと)が、入って来た。
隆は、慌(あわ)てて寝たフリをする。
「篠原先生、風邪だって?」
「ああ。40℃くらいあるらしい。まだ意識も戻らないらしい」
「だからって、この患者の脚の手術が遅れてるんだろ?」
「そう」
“『この患者』って、オレの事か……”
「でも、もったいないよな~。頭も良くてルックスやスタイルも良いのに。こんな男性でも、実験台にされちゃうんだもんな~」
“『実験台』?どういう事だ?”
「『脚を治して、ついでに脳もいじっちゃおう!』ってか!?」
“『脳をいじる』?”
直人が注射器を手にする。
「この島の住人は、全員記憶を消される。そして一生ここからは出られない。それがこの島の掟(おきて)」
“この島に入った者は、記憶を消されてしまう……?”
「この患者、いつ手術するの──」
という徹の声と共に、隆は深い眠りに落ちていった。
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