叩いて、蹴って、そして、這い上がる。

日向幸夢

第1話 叩く

 

 叩く、その動作はいつの間にか毎日行っていた。20kgの大きなハンマーを片手に持ってどこかしらのらりくらりと歩く。__少女が。どれだけ腕力があるのか、危険行為だと不審点は多いが、それでも誰にも何も言われない。そんな世界だからだ。少女自身も闇を抱えているわけでもなく、人工知能のように叩く。それは全てモノ。鮮血を見たって、その行いは勢いが減らない。


 「叩けば、見える。あれが。」






 

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