第24話 湊かなえ『絶唱』
あらすじ
悲しみしかないと、思っていた。でも。死は悲しむべきものじゃない――南の島の、その人は言った。心を取り戻すために、約束を果たすために、逃げ出すために。忘れられないあの日のために。別れを受け止めるために――。「死」に打ちのめされ、自分を見失いかけていた。そんな彼女たちが秘密を抱えたまま辿りついた場所は、太平洋に浮かぶ島。そこで生まれたそれぞれの「希望」のかたちとは? 〝喪失〞から、物語は生まれる――。
感想
阪神淡路大震災が大きく関わっているお話。
後悔、後ろめたさ、あきらめ……大きな声で言えない心残りが主人公の声を通して物語から溢れてくる。
震災において、なぜ自分が生きているのか、どうして大切な人が亡くなったのか、誰にも答えは出せないが問わずにはいられない。
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