第10話

「ひかり、ママはね…日本でいーっぱいお仕事頑張ってたんだ。


だから、昨日のパパの怪我を治してくれたスキルを覚えてたんだよ!そのスキルを覚えていたからこそ、今までのスキルをポイントだけで新しいスキルを覚えられたんだ!!


ひかりやあかりはね、まだまだ色々なことを勉強したり、経験したりが足りないんだ!だから新しいスキルを覚えたければ、いっぱいいっぱい色々なことをしたらいいんだ!


今日パパと一緒にスリングショットの的当ての練習をしたよね?あれをいーっぱい頑張ってたら、パパと同じように射撃スキルって、玉を命中させられるようになる為のスキルを覚えられるよ!


他にもこの世界には様々なスキルがある。どのスキルも、ひかりやあかりが頑張ればそのうちゲットできる筈だよ!



だから今すぐには新しいスキルは覚えられないけど、2人ならすぐに新しいスキルを覚えられると思うよ!!パパやママと一緒に頑張って覚えていこうね!?



2人とも頑張れるかな?」



「「うん!頑張れるー!!」」



「いい返事だね。頑張ろうね!


それとあかりはまだ文字も数字も分からないからステータスも分からないと思うけど、ひかりはスキルポイントをステータスには振っていってもいいとは思うんだ!


昨日教えてもらったステータスを見ながら考えるから、ひかりの今のスキルポイントを教えてもらえるかな?」




ひかりは、しばらく黙った後、



「401ポイント貯まってたよー!」



「そうか…」



俺はひかりのステータスを書いているメモを見た。漢字は知らない文字が多いから間違ってるけどよく書けている。



[名前]

社 ひかり


[年齢]

7歳


[種族]

人族


[HP]

500


[MP]

500


[力]

500


[物理耐性]

500


[魔法耐性]

500


[状態異常耐性]

500


[器用さ]

900


[素早さ]

900


[魔力]

500


[習得魔法]

なし


[習得スキル]

なし


[ユニークスキル]

テレパシーレベル1


[スキルポイント]

100ポイント




「パパとしては…まだひかりの体は成長期前だから、力や素早さには振らない方がいいと思うんだ。成長にどんな影響があるか分からないからね…だから、スキルポイントは万が一の時に大してダメージを負わなくて済むように、HPと物理耐性をメインに魔法耐性と状態異常耐性に振っていけばいいんじゃないかな?


ひかりも痛いのは嫌でしょ?HPと物理耐性上げたら、あんまり痛くなくなる筈だよ。」



「うん。痛いのは嫌だから、そうするー!」




ひかりは俺の言った通りHPと物理耐性に200ポイントずつ振ったようだ。つまりは今のひかりのステータスはこうなってる筈だ!




《ステータス》


[名前]

社 ひかり


[年齢]

7歳


[種族]

人族


[HP]

1500


[MP]

500


[力]

500


[物理耐性]

1500


[魔法耐性]

500


[状態異常耐性]

500


[器用さ]

900


[素早さ]

900


[魔力]

500


[習得魔法]

なし


[習得スキル]

なし


[ユニークスキル]

テレパシーレベル1


[スキルポイント]

1ポイント




 ちなみにひかりのユニークスキルのテレパシーは、声に出さなくても、心と心で会話ができるという能力である。その対象は動物や魔物も含まれるらしく、動物好きなひかりらしい能力だと思った。




最後に俺のスキルポイントも振ることにした。今俺にはスキルポイントが既に257ポイントも貯まっていた。かなり玩具メーカーで色々なものを作ったのもあるが、それを家族たちがたくさん使ってくれたからだ。


俺は今回は200ポイントを素早さに振ることにした。俺は日本で運動不足だった為、前にも話したが結婚して10年で20キロも太ってしまっていた。今日ボクシングでゴブリンと戦ってみて、もう少し早く動ければもっと余裕ができると思ったんだ。




《ステータス》


[名前]

社 智也


[年齢]

40歳


[種族]

人族


[HP]

2000


[MP]

1000


[力]

2000


[物理耐性]

2000


[魔法耐性]

1500


[状態異常耐性]

1500


[器用さ]

2000


[素早さ]

2000


[魔力]

1000


[習得魔法]

なし


[習得スキル]

格闘レベル2

射撃レベル2

料理レベル1

挑発レベル1


[ユニークスキル]

玩具メーカーレベル1

玩具収納レベル1


[スキルポイント]

57ポイント





これでうちの家族はさらに強くなった筈だ。明日からはもっとたくさんのゴブリンを倒さないとな!






.....

....

...

..






 翌日から俺たち家族は、心機一転ゴブリンを狩りまくった!うん。その言葉に相応しいくらいに狩ったよ!


俺は素早さを上げたことにより、スリングショットの弾の準備まで素早くなり、正直無双状態となってしまったのだ。


その上、浩美がライトシールドを覚えてからは、ゴブリンは簡単には俺たち家族には近づくことすらできなくなった。ライトシールドが時間を稼いでるうちに俺が倒すだけだ。



 俺たちは毎日午前中にがっつり狩りをして、午後からは家で訓練したり、子供たちと遊んだりと、できるだけこの殺伐とした生活の中でもストレスを溜め込まないように心掛けた。


元々異世界に憧れがあった俺はともかく、家族にはこの環境の変化は決して少ない変化ではなく、ストレスはどうしても感じてしまうだろう…万が一溜め込み、精神をやられてしまえば、病院もないここではどうしようもない。



今はまだ何処かに行くにしろ何の情報もない。焦って色々とするよりも、幸い住み慣れた我が家で生活できるのだ。日本にいるときに比べたらかなり不自由だが、ここでこの世界の環境に少しずつ慣れていこうと思っている。






.....

....

...

..






数週間後、ここは俺たちがいつも狩りをしている森の中。

今ここに俺たちが普段倒してるゴブリンとは一線を画した、大型のゴブリンが来ていた。



ゴブリンソルジャーだ!



ゴブリンソルジャーは、ゴブリンが経験を積み重ね進化した上位種である。力も早さもゴブリンとは桁違いである。もちろん知能もかなり高くなっている。



「この辺りか!?最近多くの兵が消息不明になったというのは…」



「ピギャーー!」



「そうか!我が王に逆らう愚か者には、我が剣の錆びになってもらうのみ!行くぞ!!」



その手には自身の身長と同等の巨大な剣が握られていた…


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る