第3話
南にある国は、美味しい物がたくさん。とにかくフルーツうまいっていう国らしい。
西にある国は、小麦粉を使った料理がたくさんあって、うまいっていう国らしい。
東にある国は、貴族がいない国らしい。意味が分からなかったんだけど、貴族の立場に当たる人たちが冒険者や商人なんだそうだ。税金をたくさん納めている人たちが貴族の代わりに国を動かしているそうだ。それが成立しているのは聖女の審判つぅ特別な魔法があるからなんだって。不正を行うと、バレちゃうから、自分のために国を動かそうとするとあかんらしい。国民のために動かないとダメで。そうすると、めんどくさいって商人なんか投げ出しがちとか。
そこで、役に立つのが、領地運営などを学んだ他国の貴族なのだとか。
金のある商人は他国の貴族を娘婿に据え、政治的な仕事は押し付けるとかなんとか。
む?
もしかして、私はそこに嫁にいくのか?商人じゃなくて、それが冒険者バージョンっていうのもある。
冒険者の嫁?
私、冒険者の嫁になれるの?
正確には、貴商人とか貴冒険者と呼ぶんだっけ?貴冒険者の嫁!
その貴冒険者は、税金をたくさん納めているわけだから、稼いでいる。稼げるっていうことは、強い。強い冒険者の嫁。
あれ?でも、別に冒険者じゃなくて、領地経営的な手腕を買われて嫁入りしたら、冒険者として働けなくない?
……やだな、それ。うん、だったらこうしよう。
勝負よ!より強い方が冒険者として外で働く。負けた方は大人しく家の仕事する!それならどうだ!
よし。鍛えよう。嫁に行くまでに鍛えまくる。
「リザ、今何を考えて、何故拳を握りしめているのかは分かりませんが、話を続けてもいいかしら?」
「ええ、お母様」
北の国は、すんごい大国なんだよね。うちが1とすると、あっちが10くらいの差がある。北の国の一つの領地がうちの国くらい大きかったりする。あっちから見れば小国の公爵令嬢なんて相手にするわけないだろうし。
「実は、わが公爵家は強いのです」
実は?
結構みんな知ってますよ?お母様……。
「ええ、武功で今の地位を築いた家ですものね?」
お母様が首を横に振った。
「ええ、そうですね。そうなんです。もちろんそのことは皆が知っている話です。実はそこから続きがあるのです」
続き?
「実は、あなたのお父様は、若い頃に修行だと称して冒険者をしていたことがありました」
え?まじか!
ってことは、私が冒険者になりたいっていうこの気持ちは、DNA!
遺伝子!
魂に刻み付けられた抗えない気持ち。
……って、変態の血かと思うと、複雑マックス。ぐぬ。
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