スマイルホーム~笑顔が生まれるほうへ~

NOTTI

第1話:スマイルホーム

 悠太は大人になり、彼女である菜々華が奥さんになり、二人の子供も生まれてきた。そして、結婚した当初から血の繋がっていない子供たち3人を家族として迎えて育てていた。そのため、彼は毎日子供たちの成長を見ることが出来て嬉しかったのだ。


 そして、3年前には広い庭と土地が付いた一軒家を新築で購入したのだ。当時はまだ子供たちは小さく、養子を迎えてはいなかったが、彼ら夫婦の中ではいつでも子供たちが生まれるもしくは引き取るなどして子供たちが増えた場合に備え、部屋数を増やしていた。今回戸建を買ったのも、アパートやマンションでは周囲や下の階の人などに気を遣わなくて済むということや今回新しく大家さんとしてアパートとマンションを2棟ずつ購入し、今まで住んでいたマンションも自分が所有していたマンションだったため、ハウスクリーニングをして他の人に貸すことにした。


 彼は現在、自分の会社を経営しながら同業他社の外部取締役や外部役員として勤務していた。特に外部役員として入っている会社は自分の会社の取引先で社長が変わったばかりもしくは若くして新規起業家として活動している人で社会経験が浅く、全面的なサポートを必要としている人が多いことから取引先の一部に対して斡旋しているいわば“経営者育成のための投資”をしていたのだ。


 そして、昨年から新しく教育業界に進出し、不登校や家庭学習などをサポートする“スマイル・クラスルーム”という家庭学習プログラムを立ち上げた。このプログラムは通常の学習指導要領を利用したカリキュラムを基にしたプログラムと個別設定をして自分で自主的な学習をしていくプログラムを使用者が選択し、その授業を年次ごとにこなしながら知識や技能を身に付けていくという画期的なプログラムで、自分で選択して学習を進めていく際には自分のペースだけでなく、その選択したテーマを専門としている人たちの授業を視聴することも出来るのだ。そして、カリキュラムが終わる度にテストを行い、一定レベル以上になると彼が外部取締役をしている会社と事業提携をして本人たちに実際に会社を作る体験をしてもらい、将来のビジョンについて自らの手で作っていく経験を積んでもらうことが出来るのだ。


 他にも不動産業や就労支援事業を展開する会社を経営していて、社員もかなりの人数を抱えるほどの大きな企業グループを形成するまでに成長していたのだ。


 しかし、彼がここに来るまでにはたくさんの紆余曲折や挫折など今の彼からは想像できないようなことがたくさん起きていたのだ。


 彼は自分のような人生を子供たちや社員には送って欲しくないと心から願っていた。


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