第53話自己紹介

遅れましたすみません

―――――――――――――――――――


「え、何?」

フールを見て固まるメイクに問いかける


「す、すごい、、、、、、」

「は?」

フールはいきなり「すごい」と言われ状況が読めず混乱し、Eさんに任せることにした


「どうしたの?メイク」

「あぁすまない取り乱した」

「うん、それで?」

「説明をするとこのメガネはオーラが見えるようになるんだ」

「それはさっき聞いた」

「、、、、、、その、、、、、、オーラには色が着くんだけど人のオーラの色って例外はあるけど一色だけの設定なんだ、だけどアイツの色は沢山あったんだ」

「例外って?」

「私みたいに〔魂の腕輪〕を装備すれば増やすことはできる、だが流石にあんなに沢山の色にはならないはずなんだ」


魔力を持つものにはそれぞれには色があり

Eさんだと血のような暗い朱色

シナムだと真っ白

メイクだと赤みのある紫色と明るい赤色

このようにそれぞれがオリジナルの色を持っているのに対しフールの色は暗い虹色・橙色・深緑色・群青色・黄金色が着いている


オーラの色は魂の色とされている

よってキメラのフールはモンスターを【吸収】してきたことにより色が変わり暗い虹色になっていた

橙色はアイ、深緑色はイシュ、群青色はソウル、黄金色は白竜の色だ


フールもこれだけ言われるのでどんなものかと思い、【錬創術】で鏡を作りアイに【可視化】を発動させ自分を見る


「色のオンパレードじゃねぇか!目が痛い」

「今!どうやって鏡を作ったの!」

フールが鏡を作り出したことに驚き、疑問の声をあげる


「ちょっと来て!」

メイクはフールの手を掴み、地下の実験室に連れていく

「え、ちょ」

「行ってらっしゃーい」

Eさんが手を振り、フールは地下へと連れていかれた



―――――――――――――――――――


「「ただいまー」」

フールが地下へ連れ込まれたと同時に《永遠の友》のギルドホームの扉が開かれる


「おかえり、どうだった?」

「ちゃんと集めてきたよ」

ギルドホームに帰ってきたのは素材集めをしていたメディーとマキュだった


Eさんは何かを思いついたようで話をしだす

「ちょうどいいね」

「どうしたの?」

「今から!《永遠の友》トーナメントを開催したいと思います!」

「おぉまたいきなりどうしたんだ?」

唐突にイベントを開催したいと提案したEさんにツッコミを入れるウォウ


「今このギルドホームにメンバー全員が揃っているんだ」

「え!副マスいるんですか?」

「メイクに連れていかれた」

「あ、」

何かを察したのかマキュは話の続きを聞く


「みんなは強くなった!のでメイクと副マスが戻り次第開催する!」



―――――――――――――――――――


地下に連れていかれたフールはメイクから質問攻めを受けていた


「聞いてる?君の持ってる【錬創術】は貴重なんだよ!」

「聞いてる聞いてる。とりあえず協力するから黙ってくれ」

フールは【錬創術】の更なる使い方を教えてもらったがメイクがうるさすぎて耐えられず、強く言い放ってしまう


「協力するって言ったね?」

フールの言葉を気にすることも無くニヤリと笑い言質を取る


「じゃあこれとこれ!」

「はいはい」

【錬創術】の更なる使い方とは形状の変化だけでなく合成の仕方である

【錬金術】は素材を使う事により装備のレベルアップができるが【錬創術】は不可能だ

変わりに【錬創術】は装備と装備を合成することによりその装備のスキル、ステータスを合わせることができる

その逆の事もできるためスキルとスキルを分けることができ、スキルオーブと言うものも作れる


メイクから渡された〔遅延する腕時計〕と〔不滅のネックレス〕と言う相手の行動を少し遅くする腕時計と絶対に壊れないネックレスを渡される


「いいのか?こんな凄そうなもの」

「手に入れるの大変だったけど、もっと凄くなるんだから良いんだよ!」

「じゃあいくぞ!【錬創術】《ミックス》」

「【錬金術】《昇華》」

フールが【錬創術】を使っている瞬間にメイクは【錬金術】を割り込ませる


「「うわっ!」」

「お前、何した!」

事前に確認せず【錬金術】を使ったメイクに驚きの声をあげる

「強制的に装備のレベルを上げてそのまま合成させました。何も言わずにすんません」

「わかった、それより何ができたか見てみようぜ!」


フールとメイクが出来上がった装備〔時間逆行する君〕という首にかける懐中時計ができていた


「なにこれ?やばい」

先に〔時間逆行する君〕の詳細を見ていたメイクは震えていた

「ひとまず性能を見るか」


〔時間逆行する君〕《呪いの装備》

君は未来に進めない悲しい者

針が進むことの無い時計

効果

0.1秒に1回0.1秒前のステータスに戻るこの効果は死亡していても発動する

隠された効果がある

【不壊】【経験値取得不可】


「おぉ」

「すごいね」

「要するにこれ0.1秒たったらステータスが元に戻るってことだよな」

「しかも装備した瞬間からそのステータスで固定されるってことだよね?」

「呪いの装備だから神殿に行かねぇと取れない!」

「「てことは!!」」

「「誰かに騙して装備させればいいんじゃね?」」

「聞こえているよ、そんなことはするんじゃないよ」

待てずに地下に来たEさんが苦笑しながらフール達の悪事を止める


「冗談だ」

「そこは、まぁいいよとりあえず上に来て」


――――――――――――――――――――


1階に戻るとギルドのメンバーが全員揃っていた

「では改めて自己紹介をしようか」

既にトーナメントの話は2人にしておりフールのために自己紹介が行われようとした


「ギルドマスターのEですキラッ」

「キラッて自分で言うのね」

効果音を自分で言ったEさんに呆れるフール

「みんなと戦ったことあるけど今までフールにしか負けてません!」


「副マスのフールです」

自己紹介がそれだけだと思いEさんが質問する

「それだけ?」

「え、じゃあ、、、、、、あ、人型キメラだ」

「あ、そうですか」


「屍兎人のメディーです!フールさんには後で話があります」

「え、」

話があると言われフールは疑問に思いながらも自己紹介は続く


「人型ゴーレムのウォウだ、壁役なら任せろ」

「ウォウは取得経験値が20分の1だけどステータスが常に2倍なんだよ」

そんな補足をEさんが付け加えウォウの自己紹介は終わった


「人間のシナムです、狙撃でサポートします」

「シナムはこのギルド唯一の人間だよ」


「半聖半魔マキュです」

「剣が大好きです!」

「ならこれいる?」

〔竜殺しの剣〕から【反モンスター特攻】を取り除いた〔竜斬剣〕をマキュに渡す

「ありがとうございます!」

マキュは嬉しそうにしながら〔竜斬剣〕を抱きしめる


「メイクです、装備は私とフールに任せて!」

「任せろ!」

メイクとフールは親指を立てグッドサインをみんなに見せつける

「仲良いね2人」

「「そう?」」


―――――――――――――――――――


自己紹介が終わりトーナメントが開始され、対戦表が発表される


シード メイク

フール VS ウォウ

シナム VS メディー

マキュ VS E


「フィールドは闘技場にしてあるからそれに合わせた作戦を考えてね」

「ではトーナメント開始!」


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