75歳日課はナンパと性春

青春堂

第1話 ワシと女学生①

 安倍源三 75歳。まずはワシの事を話しておくかのぉ。

ワシの日課はかわいい女の子と毎日過ごすことじゃ。

ナンパも日課のうちだがそんなに毎日成功する訳もないし75歳の爺さんを若い娘が相手にすることなどごく稀な事だ。

しかし偶にだがお茶だけならと言ってくれる娘もいるのだ。

昔から喋りはそこそこいけていたし、美人や可愛い娘を見かけたら必ずナンパしていた。

だってな、この機会を名逃すと二度と会える可能性なんて数パーセントもないじゃろ?

しかもアイドル並みに可愛い娘ならエッチしてみたいと男なら誰でも思うはずじゃ。

えっと、思うよな?



 ここら辺は夕方から夜にかけて賑わう街で、飲み屋、遊戯場、学習塾、少し離れたところに風俗やラブホもある。

昼は百貨店やアーケード街でショッピングをする女性が多く、夕方になると学校帰りで遊んでたり塾に通う女学生や仕事終わりのOL、もう選び放題なのだ! 最近はなかなか上手くはいかんがな?



 人通りの多い道から外れた路地から女性の叫び声が聞こえてきた。


見ると金髪とチビとちょいデブの3人と小柄な女子高生か•••


「いや!やめてください!離して!」


「俺らと楽しいところに行って楽しいことしようって言ってんだろうが!」


金髪が女学生の手首を掴んでイキってる。

はあ?? そんな上から目線でイキってる奴にどこの女性が着いてくと思ってるのか?


女学生も可愛いそうだし助けてやるか。そのあとムフフ•••

下心満載でワシは男達に声をかけた。


「兄さんら、そのへんにしとけえや。姉ちゃん嫌がってるじゃろうが。」


「なんだジジイ!」

「邪魔すんなジジイ、痛い目にあいたくなかったら向こう行ってろ」


「いやここは年寄りに免じて下がってくれんかのお」

と言いながら女学生を掴んでいる茶髪の手をスルッと外す。


「「「「え?」」」」


男達も女学生も目を丸くした。


「嬢ちゃん、大丈夫かの?」


「は、はい」


よく見ると今日1番の大当たりじゃ。

思わず頬も緩む。


「ジジイ、てめえ」

と言って金髪が殴りかかってきた。

瞬間金髪の体は宙を舞い背中から地面に落ちた。


「よし!これで正当防衛成立じゃな。遠慮なく行くぞい」

そう言ってファイティングポーズをとる。


ちょいデブも突進してくるがスッと躱しちょいと足を掛けるとそのままゴロゴロ転がった。


やっと起き上がってきた金髪にワシは言った。


「まだやるかの?」


チビが「このジジイやばいですよ、吉岡さん」と言う。


「クソ、覚えてろよジジイ」

捨て台詞を吐いて傍観者の中に3人は消えていった。


「いやいや、物覚えより物忘れの年寄りに無理を言うな」

ボソッとそう呟いた言葉を聞いた女学生は怯えていた顔が少し緩んだ。


「あの、ありがとうございました。」

お礼を言い女学生はペコリと頭をさげた


「いやいや、当たり前のことをしただけじゃ、それより嬢ちゃん」


「はい?」


「そこのファミレスでパフェでも食わんか?」


「はい?」




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