初白小鳥1
「……ここは」
時計を見てビクリとする。時刻は十三時。しかも今日は平日だ。
マズい、完全に遅刻だ。
『――――!!!!!』
それを認識した瞬間、頭の中に響く聞き慣れた怒声。
「……うっ、くっ」
息が詰まる。胸が苦しい。
怖い。ひたすらに怖い。
何もしていないのに
「……っ、はあ、はあ、はあ」
胸を押さえて呼吸を整える。
大丈夫。大丈夫だ。
ここは昨日会った男の子の家。あの場所じゃない。
数分かかってようやく落ち着くと、初白はもう一度布団の上に倒れ込んだ。
体が鉛みたいに重い。
指一本動かす気力も湧いてこなかった。
「私、疲れてたんですね……」
ずっと気を張っていたんだなとようやく気がついた。
「……もう少し、眠っても大丈夫ですよね」
うん……たぶん、大丈夫。
ここは安全だ……と思う。少なくとも今は学校に行っているであろう家主は優しい人だ。
「でも……その前に」
初白はなんとか右手を動かして目覚まし時計を十六時にセットした。
さすがに結城が帰ってきたときには起きて出迎えないと失礼だと思う。
それに昨日、自分が彼女になると言ったときの結城の喜び方は
帰ったときに自分が出迎えたらまた喜んでくれるかもしれない。
「ふふ」
思い出すと自然と笑みがこぼれた。
さあ寝よう。二度寝なんていつ以来だろう。
初白は毛布に
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