第58話 まだ愛しているから大丈夫

毎月コンスタントに会えている

最近は毎回ホテル代も当たり前のように出してくれる

会話は相変わらずないけど、私に少し気を許してくれているような気もする


内縁の妻のような関係性とでも思っているのだろうか…


凄く好き!

凄く愛している!

とか


は、全く聞いたことがない

セックスの時に

「めっちゃセクシー」

「めっちゃエロい」

「こんなセックスはじめて。今までで1番気持ちいいー」

「今まで俺がしてきたセックスは何だったんだろう。もうやめられない。」

とか…

結局、セックスでしか会話がないしセックスの事でしか私は評価されないし認めてもらえない


嬉しいけれど

なんか

虚しい


だって、セックス終わるとオフスイッチが入って私は邪魔者扱いだし

会わないときは、ユウスケからは連絡こないし、私からした時は、面倒くさいのに仕方なく返事をしてます!っていう内容で遅いレスポンスだし…


でも、これがユウスケにとって

最大の愛の表現方法で

最大の愛し方で

これが精いっぱい


他の女に目を向けないで私だけに心に決める

それだけで、十分だと思っている


これって、付き合っていると当たり前のことなんだけど…

ユウスケにとっては、この底辺の一般的常識がマックスだから意味がわからない


でも私はまだ、

そんなユウスケの事が大好きで、めっちゃ愛していて、いつも会いたくてたまらない


けれど最近はちょっと違うんだ…

どこか遠くにいる気がする


いつか

この、ユウスケを愛している気持ちが薄れてしまうような気がして怖い

ユウスケのその気持ちに応えてあげられなくて悲しくなるような気がして怖い

ユウスケを傷つけてしまうんじゃ無いかって思って怖い


最近ふと、

「この人のどこが良かったんだっけ?」

と、思う時もある


でも

ユウスケの男らしさと不器用な可愛さがたまらなく私の胸の奥をギューっと高鳴らせる

「かわいい」

そう思えるうちは男として愛すことが出来る

抱かれたいって、その人に愛されたいって思える


でも、それがその不完全さや未熟さが

可愛らしさから軽蔑になってしまったとしたら

もう、生理的に受けつけなくなってしまう

実は紙一重だから怖い

どれがどう違うとそうなってしまうのか…

私にも未だにわからない

だから、怖いんだ…


もしも、

ユウスケよりも優しくして愛してくれる人がいて

私のタイプだったら…

きっと私は簡単にそっちに行ってしまう気がする


だから、怖い

でも、まだ愛しているから大丈夫

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