第40話 私にとってのセックスの意味

あれからユウスケから何度か連絡がくる

私はずっと無視をする

いつの間にか来なくなる


…きっと

新しい女でも、見つかったんだと思う

これで良かった


胸がギューッと締め付けられる

苦しいなぁ…


友達のヤスから連絡がくる

仕事の事もあり久しぶりに会う

そして、何故かセックスをしてしまう…

何でだろう

私は病気なのか?

ヤスが好きとかそういうのではない

そして誰でも良い訳でもない


いつもこうだ

私のテリトリーに入ってきて、相手が私に対して好意を抱いていて

私が少しでも好感を持ってしまうとこうなってしまう

この男性にちょっと気に入られたいと思うとすぐにセックスをしてしまう

男の人に愛して欲しくなる


そう言えば、心理学で有名な先生が言ってた

父親の愛情を受けてこなかった人はそうなりやすいって…

信じたくないけど、もしそうなのであればこの自己嫌悪は少し和らぐ…


私の幼少期は、

母親からは虐待を受けていたし無価値感の塊だった

でも、母親は私を傷つけようとしたのではなく、彼女の日常の悲しみややるせなさが、時折どうしょうもなく爆発してそれを解消する為に私への暴力が必要だった

彼女が前を向いて生きるには必要な事だったし仕方がなかった

だから、優しい時もあった

そのごくたまに感じ取れる優しさや陽気さを頼りに生きていた


父親からは逆贔屓を受けていた

姉や妹には優しかったけど私には冷たかった

時折、私の部屋の荷物が外に投げられていた

絵描きだった父は

「お前の絵だけは絶対に描かない」

と言われ、妹を慈しみながら妹の肖像画を描いていた

「お前は不幸の星の元に生まれてきた」

といつも嘲笑していた

未だになぜだかは分からない


私は生まれた時からだから疑問は湧かなかったし私の何かが、駄目なんだって思っていた

こんな私を家に置いてくれご飯を食べさせてくれ学校にいかせてくれているだけでありがたいんだった思っていた

だから、誰かに見つかってはいけないんだと思っていた

だって見つかったらただじゃ済まされないんじゃないかって思っていたし

いつも「生きていてごめんなさい」

って思ってひっそり生きていた


そんな私はいつも居場所を探していたし

私を必要としてくれる感覚をいつだって味わいたかった

セックスをする前としている間はその居場所がハッキリと感じ取れる

その時間だけ不安にならずに存在が許されている実感をする

だから、

私にとってセックスは生き続けるために必要な行動

でも、終わった後に愛している人じゃなかった時には物凄く自己嫌悪に陥る


あぁ…

ユウスケは今頃どうしているのかなぁ

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