第34話 期待しちゃうじゃん

今度、会う約束をして電話をきる

ちょっとドキドキしている

そして、かすかに淡い期待をしている


え?もしかして

「愛してるから離婚して」

とか?

「もっとちゃんと付き合いたい。一緒にいたい。」

とか?


今まで、ユウスケからは

ちゃんと愛の告白をされたことがない

いつもユウスケが

どうしたいのか、

どうして欲しいのか

そういうリクエストばかりを伝えてくる

私のことをどう思っているのかは聞いたことがない


だから、もしかしたら

嬉しい言葉をやっときけるのではないかって

どうしたって期待してしまう


当日、セックスの後、

聞くことになる…

待ってましたー!!


「あのさ…。」

「ん?何?こないだ言ってたこと?」

「そう。」

「え…と。やっぱり、言うのやめる〜。」

「え?なになに?教えてよ〜」

って、

言いながらお互いにちょっとイチャイチャする


「ねぇ〜。教えてよ〜。」

「え〜。じゃぁ、いうよ。」

「うん!」

「お金、貸して。」

「え?どういうこと?」

「母親が病気で色々とお金がかさんでいるんだよね。ちゃんと来月、返すよ。」

「どれくらい必要なの?」

「可能であればいくらでもありがたいんだけど、とりあえず100万とか融通きく?」

「私、1人じゃないからさ、そんなには自由に使えるお金ないよ。」

「いくらならいけそう?」

「半分の50万くらいなら…」

「それでもいいよ、助かる」

「んじゃ、明日、振り込むね」

「ありがとう。明日、詳しい内容メールする」


次の日、メールが送らってくる

でもユウスケの口座じゃない

私の知らない人の口座だ

「なんで?」と尋ねると

「色々あって、まずはこっちに入れといて」

って。

不審に思いながらもとりあえず振り込む。

「ありがとう」

って、メールがくる。

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