第21話 偵察スキルを獲得する

 それは第20階層に挑むよりも前の事であった。


 ソルは第16~19階層でそれなりのSPを獲得していた。イフリートを倒した事によるSP『3000』を含めて、それなりに大量のSPを保有する事になったのである。


『ステータス変換』のスキルにより多少ステータスに変換したとしても、それなりにスキル獲得に回しても問題はないだろう。


 その程度の余裕はあるだろうとソルは考えた。


 そこでソルは『偵察』スキルを獲得する事になった。


 先日のイフリートのような、特殊ステージで戦闘するボスモンスターが相手だと、その階層から前の階層まで戻れない事が多い。


 そこで活躍するのが『偵察』スキルというわけだった。偵察スキルは『解析』スキルの発展版のようなスキルで、事前に敵モンスターの情報を知る事ができる。


 精霊を使い魔として従わせ、情報を集めさせる事ができるのだ。


 ソルはSPを『300』支払い、『偵察スキル』を習得した。


 ソルの目の前には無数の精霊が姿を現す。この精霊はソル以外に見る事も出来ないし、声も聞こえない霊的な存在であった。


「「「ご主人様! どういたしました!」」」


 精霊達が話しかけてくる。


「この下の階層。第20階層にいる敵の事を調べてきてくれ」


「「「はーい!」」」


 精霊達は偵察に行ってきたのである。


 もぐもぐ。暇な時間、ソルは食事をしたり、仮眠を取ったりして過ごしていた。


 しばらくして精霊達が戻ってくる。


「ご主人様! 戻ってきました!」


「どうだった?」


「はい! 第20階層の敵はヴァンパイアです!」


「ヴァンパイアか……」


 ヴァンパイア。アンデッドの王として恐れられている強力なモンスターだ。怪しげな術や魔法を使い、その上力も強い。


その属性は大抵の場合、『闇属性』である。


「そうなると……聖属性の魔法は必要だろう」


 ソルはSPを支払い、魔法スキルを習得する。


『聖魔法(ホーリー)』


 ソルの魔法スキル一覧に聖魔法(ホーリー)が加わった。


「ありがとうな。精霊達、役に立ったよ」


「ご主人様のお役に立てて私達も嬉しいです」


 ソルは『偵察』スキルの発動を終えた。精霊達は消失する。


「よし」


 食事と仮眠を終えた、ソルは第20階層へと向かうのであった。


 第20階層の敵はヴァンパイアである事が既にわかっている。


 間違いのない強敵であろう。


 いつも以上に気を引き締めてソルは攻略に挑むのであった。


 第19階層時点でのソルのステータス確認。


【名 前】 ソル・ユグドラシル



 【年 齢】 15歳



 【固有スキル】 レベル0




 ※レベル0で固定される。経験値取得が意味をなさない。




 【レベル】 0




 【HP】    2134




 【MP】     2021




 【攻撃力】    2102




 【防御力】   2100




 【俊敏性】    2050




 【魔力】     2010




 【魔力防御力】  1980




 【運気】    1890



 【スキル】 


技スキル


『回し斬り』『一刀両断』『魔法剣』


補助スキル


『ステータス変換』『鑑定』『錬成』『解析』『偵察』『強化』


魔法スキル


『炎魔法(フレイム)』『氷結魔法(コールド)』『雷魔法(ライトニング)』『風魔法(エアロ)』『大地魔法(クエイク)』『聖魔法(ホーリー)』




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