第2部 なぜ書籍化経験者や実力者の新作が埋もれるのか?
書籍化経験がある作者でも●●小説を書くと埋もれる
初心者を脱出してある程度
自分の思い描いている小説を
書けるようになった人は、
「そろそろコンテストに出たい」
そして受賞して小さい頃からの
夢であるプロになりたいという
気持ちが湧いていると思います。
でもその一方で実力も実績もない
自分がコンテストの第一関門である
読者選考を通過できるのか?
書籍化経験や人気がある実力者に
才能の差を見せつけられて
ボロ負けするんじゃないか?
と不安を感じていると思います
でも大丈夫。心配は無用です。
必要な知識を得て対策を行えば
初心者でも勝つことができます。
それでは結論を言います。
書籍化経験がある作者でも『求められていない』小説を書くと埋もれる
これは私が第6回カクヨムコンに
『無名の頃から応援している人気VTuberが元カノの妹のSSS級大和撫子だった件』
で参加して週間ランキングを
チェックしていた時のことです。
何と私の小説の1つ下の順位に
書籍化経験が何度もあり
おそらくあなたも名前を知っている
大人気ファンタジー作家の
応募作がありました。
私はこれを見た時、
「うわっ!? マジかよ!?
ガチプロが参加してきてるじゃん!?
ラブコメはこの人の本職じゃないけど
固定ファンがたくさんいるからバズって
あっと言う間に抜かれるだろうな……」
と絶望しました。
しかし私はすぐに不審な点に気づきました
「ん? プロの人の小説の連載開始日と
評価が私の小説とほぼ同じじゃないか?」
もしかしてプロの人の小説伸び悩んでる?
まさかこのまま埋もれるなんてことは……
気になった私はその後自分の小説と
共にプロの人の小説の評価の推移を
チェックし続けましたが、
私の小説は週間ランキング50位付近を
維持して何とか健闘している一方で、
プロの人の小説は伸びる気配がなく
心が折れたのか更新が止まってしまい
ランキング圏外に沈んでいきました
カクヨムコンが終わってから、
7月頃に一度チェックしてみましたが
★200にも届いていない状態で、
普通の人ならこれでも十分凄いですが
ファンタジー作品を書けば書籍化や
★1000超えを余裕で達成できる
人にとっては寂しい結果となりました
※現在その作品は非公開となっています
またその方の名誉のため
名前も伏せさせていただきます
私はその小説を読んでいませんが
客観的な分析や比較として、
山下には実績どころか読書習慣も
ないのでスポーツ選手で例えると、
ミーティングばかりで練習しない
無名のアマチュア選手です。
そしてプロの人は書籍化経験豊富
しかもラブコメが好きらしいので
自然に努力できる現役バリバリの
プロ選手といったところでしょう
才能・努力・経験・環境、
全てにおいてプロの人の方が上で
本職ではないとはいえ、
山下に負ける要素はないはずです
それなのになぜこうなったか?
ここに人気作の本質があります。
これまで述べてきたようにカクヨムで
人気作になるのは面白い小説ではなく
読まれる小説である。厳密には
多くの人に読まれることによって
『多くの人を感動させるなど喜ばせて』
応援したいと思われる小説です。
ここで先程のプロの人の、
「本職ではない」ことが響いてきます
あなたに質問です。
あなたはある日友人Aさんの
誕生パーティーに招待されました。
Aさんの家に行くと同じく招待された
Aさんの友人で中国人のBさんがいて
しかもBさんの仕事は中華料理人で
これから参加者のために料理を
作ってくれると言うのです。
あなたはワクワクしながら待ちました
1時間後台所から出てきたBさんが
「和食のフルコース」を運んできました
Bさんが言うには自分の作った和食が
日本人に美味しいと言ってもらえるか
試してみたかったそうです。
さて、あなたは嬉しいですか?
「いや嬉しいよ? 嬉しいけど
Bさんの気持ちも分かるけど
中華料理の方が良かったなあ……」
と作ってくれたBさんに感謝する一方
微妙な気持ちを抱いているでしょう。
そう。ファンタジー小説を書いて
有名になったプロの人はファンから
ファンタジー小説を書くことを
期待されているのでラブコメを
書いてもあまり喜ばれません。
なぜならラブコメならラブコメで
自分の好みに合うものを書く、
作者が他にいるからです。
「ラブコメを書く時間があるなら
ファンタジーを書いてくれよ」
と不満に思う人もいるかもしれません
先述のように人間には「返報性の法則」
という自分を喜ばせてくれた人に
お礼をしたい・応援したいと
思う心理があるので、
ファンが求めていないことをすると
応援してもらうことができません。
そしてこれまで書いてきたように
良質な小説を書いたからといって
読まれて評価されるわけではないので
プロの人の小説の評価が伸びず
埋もれてしまったと思われます。
これは私たちが重く真摯に、
受け止めるべき事実だと思います。
カクヨムトップレベルの実力があり
たくさんのファンがいる人でも、
ファンや他の読者が求めている、
「読まれる小説」を書かないと、
簡単に埋もれてしまうのですから
「でもそれならまだプロの人に有利な
条件が消えただけで実力差により
プロの人が勝つはずじゃないの?」
と疑問に思うかもしれません。
しかし残念ながらまだ皆様に
伝えていない残酷な事実があります
それは小説の質が上がれば上がる程
読者に読まれなくなるということです
「そんなバカな!? 嘘を吐くな!」
「読者が質の低い小説を求めるわけない!」
と信じられないと思います。
しかしそれには確かな理屈があるので
次回はそれについて解説していきます。
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