山奥の断崖で、ひとりの少年が命を絶とうとしていた。
家にも学校にも、居場所がなかった。
「気味が悪い」と囁かれ、親戚すら彼を疎んじた。
そんな彼に声をかけたのは、名も知らぬ青年だった。
幼くして両親を亡くし、
その後に訪れたのは、救いの顔をした悪意と、
優しさを信じかけた瞬間の裏切りだった。
それでも少年・太陽は、生きた。
感情を押し殺し、息をひそめて。
ひたすら誰にも迷惑をかけぬように。
いつか誰かが助けてくれるのを、ただ祈りながら。
これは、あまりにも静かで、苦しくて、
それでも確かに「人間」を描く物語。