第二話 〜距離〜
学校に着くと早速いつものように、決まった数名のクラスメイトが
〝またきた、いつもわざわざ来てくれてご苦労様〟と頭の中で呆れながらも、彼らの気晴らしに何発か殴られる
下を俯きながら耐えている所を見ると、思った以上にこれが痛いようだ
ただ〝二番目の引き受け人になった叔父さん夫婦の虐待〟に比べるとはるかにマシと感じる
あの経験があったからだろうか、痛みに関してはそんなに苦痛を感じないようだ
多分、痛いのは心の方なのだろう
しばらくすると、まるで儀式のようなこの行為が終わって雰囲気が一変する
「おはよう
と元気よく誰かが
それにつられる形でいろんな人が
「おはよう」
「おはよう
と口々に
この急な変わりように、
「うん、みんなおはよう」
と笑顔でそれに挨拶を返す
さっきまで殴っていた光景がまるで嘘のように…
この歪な空間が出来たのはクロが死ぬよりも前のことだった
発端はクラス担任や周りの先生達がこの〝いじり〟について、感づき始めた頃だった
それを解決するためにわざわざクラス全員で考えて、出した答えがこの結果だった
これは言い換えれば『
結果的にそれがいつの間にかこの歪な空間を日常に変えたのだった
「
とそんな声が隣から聞こえてくる
その声の方を
周りの奴らは少しビクつくが特に何も言わないし、ましてや標的にしようとする者はいなかった
なぜみんなが
一つ目は
そして二つ目は一度クラスメイトの前で〝いじり〟についてかばった時の、殺意を向けてきた
多分この中で二つ目の理由が一番大きいだろう
ただそんな二人がいる事で
「ありがとう、大丈夫だよ」
と心配してくれている
一方で
ただあの
そんな違和感のある態度に
あれはクロが死んだ次の日
「学校内ではなるべく、話しかけないようにしてほしい
二人に迷惑をかけたくないから…」
とお願いをした
それを聞いて〝ふざけるな、何言ってんだ〟
と今にも怒り出しそうな
「分かった、学校ではなるべく
と笑顔で言った
すると次の瞬間その襟元を掴み
「お前、何言ってんだ」
とすごい表情で
しかしその言葉を放った瞬間に、表情が落ち着きを取り戻し、
なぜ下ろしたのか?理由はすぐに分かった
その時の
もともと純粋な心の持ち主である
それは〝大切な友達を裏切る事〟
それを見た
「それでも俺は必要最低限は話しかけるからな」
と
そんな事があったから
つまり
その原因を作った
ただ
だからこそ
しかしそんな
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