出会いと別れ

カキピー

第一話 出会い

新しい季節、始まり、そして出会い。これは、日常の中で当たり前のようにある。

私は、今春に一から順調に生活していこうと思う。しかし、人生そう簡単にはいかないということは、わかりきっていることだろう。だから、何事にも期待しすぎるのも、しなさすぎるのもよくない。

「はあ、今年は楽しく生活できたらいいのにな。」

私の名前は、悠。ごく普通の高校生だ。新学期で、一つ学年が上がっただけで、特に高揚感は何も感じていない。別に、虐められていなかったわけではない。ただ、この人生という半永久的に終わらないゲームに飽きているだけだ。神が勝手に私という駒を作って、親という駒を操り、さらに、赤の他人にさえ自分に当たるように、操作されていると考えてしまう。今ここで、私が死んだとしても、それは神が駒に飽きただけだと。すると、突然、

「よっ、名にしけた面してんだよ。」と、声をかけられた。彼の名前は修太。私の幼馴染みたいなもの、いわゆる腐れ縁だ。こいつとは、それなりに、仲が良い。性格は、明るく、誰にでも分け隔てなく接する。簡単に言えば、思いやりのある奴だ。こんな奴が自分の友達とは信じ難いものだ。

だが、私は修太と友達でいることが、誇りだと思っている。頼りなるところもあったりなかったりするが、自然体でいられる。この出会いがなっかたら、多分、孤立していたかもしれない。このことに関しては、神に感謝してもよいと思う。一期一会とはよく言ったもので、仮に話した人が必ずまた会うことはないと思う。修太に会えた、というのを胸に刻み、この出会いを大切にしたい。

「俺思うんだけどさ、悠となんで友達になったんだろうな。」と、修太は笑いながら、私に話しかけてきた。その質問に対し、

「出会いがあったからじゃない。その出会いがなければ、人は会わないし、仲良くなろうともしない。要は、きっかけがあったからこそ友達になったんでしょ。」と、言うと、

「いや、質問の答えになってないじゃん。」と、笑い返答した。

「本当のこと言うと、公園で修太が話しかけてくれて、それから毎日のように遊んでいたら、仲良くなったんだよ。」恥ずかし気に答えた私に修太は私に肩を組んできた。放課後の夕日が沈みかける帰り道に。

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