異世界で聖騎士の箱推ししてたら尊みが過ぎて聖女になってた
のんべんだらり/ビーズログ文庫
1 異世界で聖騎士の箱推ししてたら尊みが過ぎて聖女になってた
1-1
『
『イヨッ、姉ちゃん見てってこれ! 一推しのイワシだよこれ!』
『この流行に乗って我が社の新商品を推していきましょう』
『ツアーファイナルライブ……推して参る』
あ、最後のは同類の
──まあ大体、『推し』と発言する場面は右記の感じになるかと思う。自分が『
そんなふうに連呼する私の原動力はただ一つ、『尊み』だ。
素敵なものは素敵すぎて見てるだけで幸せになるし自分の脳内でこねくり回してると
そんな私の
そう私は、ファンタジー世界に生まれ直した今でさえ、推しからの尊みで生きているのである。
◇◆◇
山あいに広がる
王の住まう
「──三騎士様たちのお帰りだ!」
行列の先頭を行くのは、騎士団序列第一位『
彼は現王家の分家の出で、約180センチという長身と、さらに王族の
そして彼の後ろに続く二人のうち、兜を
二十一歳のサラマンダは長身のアレクシスよりもさらに大きいのだが、筋肉ダルマではなくアスリート然として
そして、
国の誇る三聖騎士。彼らはなおも軍列を率いながら、大通りを真っ二つに割って進み続けた。彼らの目的地は当然
──そこに『私』もいた。
王宮の
そして、
王と妃が彼らに手を上げて労を
「お帰りなさいませ、騎士様がた。先の遠征、ご無事で何よりです」
「顔をお上げください、聖女様」
「この
「……ありがとう、ございました。本当に……」
静かに、けれど力強く口にするのはサラマンダ、
「ありがとうございました聖女様! オレ……ああいや、私たちの働きぶりは見ていただけましたでしょうか!」
そう明るく話すのはザックローだ。
軽い調子のザックローをサラマンダが
「ええ。
「おぉっ、あの
ザックローがパッと
「それは
「…………」
アレクシスの言葉に、サラマンダも静かに熱っぽい視線を私に向ける。ザックローも前のめりになっていて、そんな二人を見たアレクシスは
目の前に立つ三人の聖騎士を見ながら、私もまた笑う。
「……ええ。ヴァルガー・アレクシス様、グリム・サラマンダ様、ヒヨウ・ザックロー様。皆様は、この度の戦場でも──」
めっっっっっちゃ
◇◆◇
有事の際に騎士たちを強力な奇跡で守ること、そして戦場で
以下、
(……きた
大体いつもこんな感じ。で、ここらへんで王様から「聖女様、具合はいかがですか」と声をかけられるのもいつものことだったりする。いやあの、確かに鼻息
やがて、先行していたザックローと合流したアレクシスとサラマンダは、各小隊を率いて遺跡の最深部に足を踏み入れた(サラマンダがザックローの独走を
そこでは今まさに
アハト・オーアインでは、
首がないのに、背筋を
【
「聞け! 国に、そして世界にあだなす邪教徒たちよ! 我々はアハト・オーアインが誇る聖騎士隊! 神の名に
その宣言とともに、アレクシスは巨人に向けて剣を振るった。すると、
──グオオオオッ!
「恐れるな、兵たちよ! 我々には聖女様の加護がある! その剣を振るい、オーアインの
士気を鼓舞し、『金狼』が
もちろん、彼らの前を行くのは序列二位三位のサラマンダとザックローだ。
「オレたちも行くぞ『紅竜』っ!」
「言われずとも分かっている『蒼鷹』……!」
バチバチと火花を散らしながら、しかし
アレクシスは防護の
サラマンダは降ってくる
ザックローは
「……
アレクシスの声を
なおも騎士たちは光を背にして、高らかに
(………………尊い……………………………)
▲ジョブレベルが上がりました。
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