200字文庫 「判 決 日」 

桜庭

200字文庫 「判 決 日」

男は墓の前で線香を上げ拝む。

「遅くなってごめん、お母さん」

立ち上がり墓を見つめる。そこに一人の男がやって

来た。

「刑事さん、よくここが分かりましたね」

「お前の行き場所位わかるよ」

男は刑事の前を通ろうとするが、刑事が肩を掴む。

「誰を庇ってる」

男は黙って刑事の手を払い歩き出す。

「お前は犯人じゃない。証拠が揃い過ぎる」

男は立ち止まった。

「判決日に、お袋さんは何故、自殺した」

男は暫く黙ったが、再び歩き出す。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

200字文庫 「判 決 日」  桜庭 @sakuraba0807

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ