第13話 ボス

冬美は少子化のため、二つの小学校が合併した中学校に通っていた。


想像した通り対立して仲が悪かった。


特に、男子のボス争い(番長?)は毎日ひどくなっていきました。


冬美のクラスで行われているこのボス争いは

一人は森村君で、もう一人は杉田君だった。


以前の森村君では無いような感じで、いつもイラついていて、弱い者いじめをするようになっていたのが、冬美には心配だった。


ある日、森村君と数人の男子が、

おとなしい男子を標的にして殴り始め、止めに入った人も巻き込み、大騒ぎになっていた。


その時低い声が響き渡った「森村、その辺りで止めておけ」


いつもは静かでにこにこしている、

森村君と仲良しの、岩山君だった。


「いま、自分が何をしているのかわかっているのか?」と諭すように言った。


森村君は「大ちゃんは口を出さないでくれ」と、顔を真っ赤にして叫びながら岩山君に突進していった。


ガシャーンと大きな音がして机と椅子と森村君が吹っ飛んだ。


シーン…誰も声を発しないし動かない…。


しばらくして、岩山君が、机と椅子の間に横たわっている、森村君をひょいと抱えあげた。


「大丈夫、けがしなかった?」と森村君に話しかけた


少し泣いていた森村君は、うなずいたあと小声で「大ちゃんごめん」と、言っていた。


岩山君は、森村君を思い切り抱きしめていた。


次の日、照れくさそうにしながら「大ちゃんおはよう!」


いつもの森村君が戻ってきた。


よかった~とほっとして胸をなでおろす冬美であった…。














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