amore mio
有栖川 天子
第1話
高校に進学して約半年。モミジやイチョウの葉が完全に色づいた10月という季節に、私はとある決意ができずにいた。
とある決意というのは、告白する決意。
ま、私だって現役の女子高生ですから、恋だってしてしまうんです。
相手は幼馴染の稔(とし)くん。
彼とは小学校から一緒のクラスだけど、話すようになったのは高校に進学してからだ。
それで幼馴染と呼べるのかは怪しいけど、なんでか稔くんとは、距離が他の男の子と違って近くに感じていた。
そんな稔くんとは、学校の登下校と、SNSや電話でいつもしょうもない話をしている。
しょうもない話とは、本当にしょうもない話であって、話題は毎回変わって共通性がない。でも、話していて楽しい。
稔くんは私のことをどう思っているのかは知らないが、私の「好き」って気持ちは伝えたい。そうしないと、なんかモヤモヤする。
でも、それで もし、フラれちゃったらどうする? 今までの関係が壊れてしまうのは明白だよね。
そんなの、嫌だよ…。
だからこそ、私は告白の決意をできずにいた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます