(二)-6

 僕たちはすぐにバスに乗って首都を脱出した。

 市内には検問が敷かれており、途中検問所でバスが停められた。そのとき、バスに兵士二人が乗り込んできて、車内を見回していった。

 そしてほぼ満席のバスの中で、片方の兵士が若い男性客の一人を「反政府運動のメンバーだろう」と因縁をつけて腕を掴み。バスから無理矢理引きずり降ろした。

 若い男性はバスを降りる前から何度も「違う」と言っていた。そして路上でひざまずかされた。泣きながら「違う」と言い続けた男性は、僕たちが乗るバスが走り出す直前に、兵士に頭を撃たれて倒れた。


(続く)

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