373話 強さの秘訣

「暇ですね。」

「すごい何も考えてない顔してるわね。」

「サキさんじゃないですか。話し掛けられるまで気づきませんでしたよ。はぁ、カレンが学園を休むなら私も安心できるんですけど、断られちゃいましたし、これでも結構心配してるんですよ?」

「なんと言うか、覇気が無いの?」

「気を張り詰めすぎと言われたのでゴロゴロしていればいいかなと。」

「私たちよりも働いてたし、こういう事があってもいいんじゃないかしら。」

「そうですね。時々こうやって休むのも大事ですね。」

「うんうん、私みたいに1日ゴロゴロしてるのも良いものよ。」

「引きこも「ってないから。」」

2人でほのぼのと過ごしていたのだった。

ちなみにサキは仕事をサボっていたので怒られていた。



カイトは不審な人物がいないか学園の周りを歩いていた。

「そろそろ、授業が終わる時間だな。」

そういうカイトの後ろには縄で縛られた黒ずくめの男達が倒れていた。

とりあえず組織に引き渡して処理を済ませたカイトは正門でカレンが出てくるまで待つ。

「兄貴じゃないか。」

「ん、クレソンとフラスか。久しぶりだな。」

「久しぶり兄さん」

「最近どうだ?訓練をサボってないだろうな。」

「大丈夫、ちゃんとやってるよ。兄さんはどうしてここに?」

「嬢ちゃんの代わりだよ。」

「師匠の強さの秘訣ってなんだと思う?」

「そりゃあ、魔法と剣技が最高レベルの技術を持っているって事だろ。嬢ちゃんは1VS1で戦う時強力な魔法を使わずに相手に隙を生ませるような小細工を使うんだ。逃げ道を塞いだり、奇襲をかけたり、相手はそれに神経を割かないといけない。なんてったって当たった時点で戦闘不能になるような威力の魔法をポンポン放ってくるんだ。受けるなんて以ての外だ。体勢崩してそのまま押し切られてしまうからな。」

「師匠は魔法に頼りきってるわけじゃないもんな。」

「そこなんだよ。小細工は出来なくなったが、最高レベルの身のこなしは変わっていないんだ。つまり、訓練でボコボコにされてる俺たちは魔法とか関係なくボコボコにされるって事さ。」

「どうやったらあんな風になるんだろう?」

「年齢詐称でもやってるんじゃね?」

「アハハ、師匠ならそういう事できても不思議じゃないね。」

「お嬢様が来たから俺は行くよ。」

「兄貴、またな。」

「おう、気を付けろよ。」



「何話してたの?」

「嬢ちゃんはすごいって話だ。本人には言うなよ。調子に乗られるとムカつくからな。」

「うふふ、そうね。メイは子どもらしい所もあったりするものね。」

「本人は認めないだろうけどな。」

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