335話 小手調べ
「何に関しての書類を盗めばいいの?」
「あれ、話してなかったか?それに関しては秘密だとよ。犯罪に関する書類だって書いてある。」
「はあ?そんなのどうやって盗むっていうのよ。」
「手当り次第持っていくしかないかもな。」
「つまり、私達はまったく信用されていないって訳ね。」
「そういう事だ。やり方もまったく違うしな。小手調べってトコだろ。」
「無理難題を押し付けて来るわね。それで、どうするつもなの?」
「怪盗シグルとは違うやり方でやらないといけないからな。いつもの誘導するやり方は使えない。」
「でも、いつも通りの警備なら簡単に突破できるんじゃない?」
「そうは言っても、今回の仕事場所は情報がまったく入手できなくて諦めてた所なんだよ。予告状なんて出してるのは一手の保険だ。失敗しても最悪隊長さんに連れて行かれるだけだ。この国で私刑は禁止だからな。でも、今回みたいなケースは捕まったら最後、どうなるか分からない。」
「泥棒が入ったなんて余程の事がない限り自己申告以外で判明する事ないもんね。」
「そういう事だ。」
「1度、偵察ロボット出してみる?」
「そうだな。ゴキb「その名前は出さないで。」」
偵察用の魔道具を配置し、操作する。
「ノイズがすごいな。この屋敷全体に魔力を妨害する結界が張られてるみたいだ。」
「普通こんな大規模な仕掛け作らないわよね。怪しさプンプンじゃない。」
「ここの当主曰く、昔泥棒に家宝を盗まれそうになったかららしい。」
「昔泥棒に入られたならここまでするのも納得するのかしら?」
「家宝だからな。そんなもの盗まれたら貴族社会の笑いものだし、貴族は盗まれた家宝を何としてでも取り返そうとするだろうな。」
「だから今まで家宝は狙わなかったのね。」
「ああ、血眼になって探されたらどこから足が付く分からないからな。」
魔道具を操作し粗方調査を終えたカイトは情報をまとめる。
「警備は20人か。それにノイズが酷くなって引き返した場所もあるから30人くらいいると想定するべきだな。」
「多いわね。引き返したのはこの辺りよね。そこに何かあるわよね。」
「そうだな。」
「ダメね。これ以上は対策をたてられないわ。」
「俺に考えがある。ちょっとコッチに来てくれ。ゴニョゴニョ」
「そんな危険な役目押し付けられないわよ。それは最後の手段よ。」
「分かってる。他に良い作戦がないかもう少し考えるとしようか。」
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