103話 マーモンタイ


「ただいま。魔道具、回収してきたぞ。」

「おかえりなさい。ありがと、これすごい便利なよね。使い捨てじゃないのもポイント高いし、後は見た目なのよね。」

「こればっかりは嬢ちゃんに直談判でもするしかねえな。」

「今回は予告状とか出さないんでしょ?」

「ああ、誰も住んでない屋敷に予告状送ってもな。」

「なら罠にかからないようにアンタが気をつければ問題ないわね。」

「善は急げだ。今夜行ってくるぜ。」

「分かったわ。本当に気をつけなさいよ。」

「分かってるさ。油断大敵だからな。」


その夜

「屋敷に着いたぜ。」

『昼と何か違いはある?』

「そんなに違いは無いみたいだ。」

『それなら今から屋根裏への道を言うからその通り動いて。』

「道分かってたんだ。探さないといけないと思ってたぜ。」

『あの後見取り図を見てたらおかしな所があったのよ。』

「ナイスだ。サキ、愛してるぜ。」

『バカなこと言ってないで早く行く!』

「照れちゃって〜。」

『は?』

「すいません、もういいません。」

『まぁ、いいわ。近くの窓から屋敷の中に入って。』

「入ったぞ。ここは寝室だな。」

『そこから出て、右に二つ行った部屋に入って。そこに暖炉があればいいわ。』

「二つ目か。ここだな。暖炉あったぞ。」

『その近くに本棚があるでしょ?それをどけて。』

「多分これだな。ヨイショっと。天井に扉が付いてる。」

『ビンゴ!そこから中に入れるはずよ。』

「侯爵って身体能力そんなに高くないよな?」

『そうね。それがどうかしたの?』

「あんな高い所、槍でも使わないと届かないぜ。侯爵はどうやって入ってたんだろうな?」

『どこかに開けるための装置でもあるんじゃないかしら?無理に開けたら罠があるかもしれないから気をつけて。』

「ん〜?魔法罠の類は無いみたいだから多分大丈夫だ。」

『物理罠があったらどうすのよ。』

「俺は毒以外は食らってもどうってことないぞ。」

『毒罠だったらどうすのよ。』

「そんときはそんときだ。突入!」

『で?どうなの?』

「やっぱ、開けるための装置があったみたいだ。罠で死にかけた以外は問題ないぞ。」

『だから言ったじゃない。』

「でも今回も生きてるからマーモンタイ。」

『いつか絶対酷い目に合うわよ。』

「いつも言ってるだろ?俺たちなら大丈夫だって、それでも無理な時はそんときは考えればいい。」

『本当にバカなんだから。』

「そんなこと言ってるくせに笑ってんじゃねえかよ。」

『わ、笑ってないわ。勘違いしないで。』

「どこのツンデレヒロインだよ。」

『とにかく早く帰って来ないさいよ。』

「そうだな。長居は禁物だ。」

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