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第1話 城

俺は城に住んでいる。

俺が住んでいる城は普通の城とは違う所がある。それは、その城が空に浮いている所だ。

俺は朝、日が昇る前に起きて城の掃除をする。俺が目ざ覚めると何故か俺のベッドの隣の机にパンと水が置いてあるのだ。初めの方は毎日のパンと水に飽きていたが、それも慣れてきた。そもそも、俺がどのくらいの間 この城を掃除しているか分からない。俺が物心についた時には、俺の目の前には掃除用の箒が置いてあった。俺が何故、この城を掃除しているのかは分からない。だが、そんな事を考えたところで何にもならないのは決まりきった事なので、考えるのは止めた。

だが、今日でこの決まり決まった毎日から解放されそうだ。俺が広間の掃除をしていると、広間に飾っている時計が「ガタ」という音を立てて床に落ちた。俺は直ぐに、その時計に駆け寄り時計を元の位置に戻そうと思った。しかし、時計が飾ってあったところには何かボタンのようなものがついていた。俺は何も考えずにそのボタンを押した。すると、「ゴゴゴ」という音がした。何処が変化したのかは直ぐには分からなかったが、掃除をしていく内に城の門が開いた音だと気づいた。そう言えば、俺はこの城を掃除し始めてから、城の外を気にしたことがなかった。どうせ、待っているのは空だと思っていた。俺は城の門に近寄ってみると、城の門が開いていた。俺は一歩踏み出して、門から空を見た。城は思っていたよりも、低い所(それでも、低い山位の高さ)を飛んでいた。


※この物語は、法律・法令に反する行為を容認・推奨するものではありません。

また、この物語はフィクションです。

実在の人物、団体などとは一切関係はございません。




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