第2話 20210507

贈り物って、相手のことを多少なりとも考えて品物を選ぶと思う。

それを踏まえて、何を選ぶか?がセンスの見せ所でしょう。


あたしの髪は、肩につくぐらいの長さで、色はオリーブグレージュだとサロンの担当さんが言っていた。ま、暗めのブラウンです。


最近はマッシュショートとボブの間ぐらいのスタイルがすごく気になっていて、Instagramでそれっぽいスタイルを見ていた。

今度の休みに切りに行こうと思い、サロンの予約をしようとしていた矢先だった。。


「ピンポーン」

玄関のチャイムが鳴る。


「近くまで来たから寄っちゃった。」

友人のAちゃん、突然の来訪。

連絡無しで来るなんて珍しいな、と思っていたら

「はいこれ、誕生日プレゼント!」

紙袋を渡される。なるほど、プチサプライズか。状況を把握したあたしは、一生懸命驚いた顔を作った。

「えー、ありがとう!びっくりだよ。あ、なんか飲んでく?」

「んー、ちょっと旦那待たせてるんで、今日はもう行くね。」

Aちゃんはあっさり帰ってしまった。


さて、何が入っているのやら?

袋から丁寧な包装の箱を取り出し、そっと開ける。


それはキラキラしたスワロフスキーがいくつか散りばめられた髪留めだった。

メッセージカードも入っていた。

「誕生日おめでとう!前に『ヘアドネーションできるぐらい髪伸ばす』って言ってたから、長い髪に映えそうなものを選んでみたよ!」


ああ、そうだっけ。言ったわー(笑)


髪を伸ばすか切るか、もう一度考え直さなければならなくなった。


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