ディティールしっかり、物語は重すぎず。

 地理、国家、為政者の思想、物流、人々の気質……作者さんは世界を作ってからお話を書いているなと感じました。世界の作りこみがしっかりしているお話は重くなりがちですが、本作は雰囲気軽めです。フフッとなる描写と思わず考察してしまう描写、バランスよくあります。

 物語は、謎の本を起点として、そこからつながる様々な人物の物語に引き込まれます。
主人公たちの行動の動機がしっかりしているので読んでいて納得感があります。