第8話
ヒイラギはトドマから受け取った金をいつもの様にお菓子の空き箱へと入れた。
このアパートへ住むようになってから3年が経とうとしていた。
最近、上の人達が騒がしくする事があるが中々に住みやすい所だと思う。
ヒイラギは今の生活に結構満足していた。
ここに来た当初はどうなるか不安だったが、こうして生活出来ているのだから
意外とどうにでもなるものなのだと思った。
トントンとノックされてドアを開ければそこにはモローさんが立っており
「今晩、いつも通りよろしく」
モローさんはそう言うと僕の返事も聞かずに行ってしまった。
僕はとりあえず時間までは眠る事にする。さすがに眠い。
◆◆◆◆◆◆
時間になったので隣のモローさんの部屋へ行く。
鍵はいつものように開いており、僕は何も言わずに部屋へ入るとそこには
モローさんが何も着ないでいた。
「坊や、おいで」
そう言われて僕はモローさんの身体を愛撫する。
綺麗でやわらかいその身体は無駄なものが排除されている。
どんどんと熱が上がって行くその身体に僕は溶け込んで行く。
◆◆◆◆◆◆
「お兄ちゃん早く! 」
妹に呼ばれて僕は走って行く。
僕と違って活発な妹はよく走り回る。
「こっちよ、お兄ちゃん。早く早く! 」
その小さい身体に一体どれだけのエネルギーを蓄えているのだろうか?
まったく追い付けない僕はやがて気づく、これが夢だという事に。
だって妹はもういないのだから。
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