第6話

 ドンドンドンドン

 

 

 朝からドアを乱暴に叩く音で起こされた俺は仕方なくドアを開ける。

 このままではドアが壊れてしまうからだ。

 

 

 仕方なく開けたドアの向こうには令状を持った警察官がおり、俺はどうやら

 逮捕されるらしい。どうやら、俺の活動は違法だったようだ。

 

 

 女達の夢を叶えてあげただけなのに、捕まるなんて事があるとは驚きだ。

 まったく生きにくい世の中になったものだ。

 

 

 

 

 ◆◆◆◆◆◆

 

 

 

 

「あそのこの部屋の人捕まったらしいよ、強姦だってさ」



 平気な顔でそういう事を言ってしまうヒロキに俺はもはや驚きはしない。

 というかこの女、他人の部屋でくつろぎ過ぎだ。

 

 

「大学生だろ? 頭いいのに捕まったら終わりじゃん。そんな事も分からないのに

 大学って受かるんだな? だとしたら俺は大学院に行けんじゃね? 」

 

 

 そんな発想の奴が行ける訳がない! とは言わないが、他人の部屋でくつろぐな

 とは言いたい気分だ。

 

 

 何故かこの二人、俺の部屋を溜り場にしてしまった。

 まったくもって迷惑だ。俺は独りで過ごす時間が大好きなのに、こいつらの所為

 で独りになれない。

 

 

「お前ら何でここに居るの? 自分の部屋に帰れよ! 」



「何でって、飯が出るからに決まってるじゃん! 」



 確かに俺は今、青椒肉絲を作っている。作ってはいるが、これは俺が食べる為に

 作っているのであって、お前らに作っている訳ではないのだ。

 

 

 

 

 ◆◆◆◆◆◆

 

 

 

 

 結局三人で食事を終えると俺は外に出た、部屋に二人を残して。

 もう我慢の限界だ。

 俺は夜の街を駆ける。

 

 

 まったく、俺はこういう事はあまり好きじゃないのだが……

 これは仕方がないのだ。あの二人のせいだ。

 

 

 俺の敏感になっている嗅覚が死の匂いを嗅ぎ分け、見つけた奴に刃を向ける。

 そしてその瞬間に分かってしまった、これは駄目な奴だと。

 これは殺人ではなく、自殺幇助だ。

 

 

 殺意を向けられて笑ったそいつからは強烈な死の匂い。

 死にたがりの奴が放つ特有の薫りがに俺は我慢が出来なかった。

 本当に最悪だ。

 

 

「あれ、トドマさんじゃないですか」



「嗚呼、あんたか」



 そしてその現場に知り合いが通りかかる。

 

 

 



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