エピソード8:パパ活、夜のルーティン YouTube風 アゲイン

夜中、満員電車に乗った。

東京は最終までぎゅうぎゅうだよなあ……。疲れる。

でも、タクシーは絶対使わない。

原価率が上がる。利益率が下がる。

でも、駅からおりてボロアパートまでキツい。

でも、絶対に一銭も使いたくない。

やれやれ、しつこいのに当たるとホント疲れる。

帰宅したときは1時近くだった。

まずシャワー。

何と言ってもシャワー。

パパ活の一日の終わりは身体からだ中が不潔の塊みたいになっている。

このバイキンを洗い落としたら、次はフェイスケア。面倒くせえ……。

でも、顔面は私の命。

乳液やらなんやらホント面倒くせえ。

このあとストレッチだよ……。

身体が潤滑油の切れた歯車みたいにギスギスになっている。

今日のシノギは約6万円。

ションベンアパートの家賃にはなったな。

まだまだこれから光熱費やら年金やら国民健康保険を払わなきゃならない。

納付し忘れるとすぐ年金機構の取り立て屋から電話が掛かってくる。

しんど……。

でもこの美貌がある。

40まではやってやる!。

今日も無事乞食できたじゃないか。

しかも茶飯だ。

大人じゃない。

でも、いつの日か私もA子のように大人する日が来るかもしれない。

この不安は1年365日消えない。

でも私は絶対にロレック・スデイトナを茶飯で手にしてやる。

死んでも茶飯でかすめ取ってやる。

男を利用して生き切って逃げ切ってやる。

風呂上がりの火照った顔をインスタに上げて野郎どものせんずりのおかずにくれてやった。

クーラー代もったいないからもう寝る。

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