第2話 絶妙ネイルチップ
注文したネイルチップが家に届いたのは、三日後になった。
「変な荷物がポストに入ってたんだけど……メイ、知ってる?」
帰宅直後に、
そういえば荷物が来ることを母に言っていなかったと思い出し、事のいきさつを簡単に伝えると、母は「変なサービスがあるのね」と感心していた。
自室に入って、開封してみる。
梱包素材を取り払い、現品を手にとって「ふーん」と鼻を鳴らしながら
さっそく試着してみようかと思ったけれど、商品の受け取り通知をしなければならないと思い出して、スマホを取り出す。アプリの取引画面を開き、良い・普通・悪いの三段階に別れてある相手評価のうち、スマイルマークのある『良い』を選択する。
『無事に届きました。
と、コメントを
これであたしがやるべきことはおしまい。あとは、受取評価の通知が入った売り手が、買い手であるあたしの評価をまじえた確認通知を送ってきて、取り引き完了となる。
やり取りは初めから終わりまで無言で行うことができるようになっているのだけれど、タマコによれば、「相手がコメントをよこしたら、せめて
それと、評価は何事もなければ『良い』を選択し、発送と梱包を
すべきことを終たあたしは、ネイルチップを指に取り付けてみた。一本一本貼り付けて、
10本すべて装着し、高校の制服を着たまま、ごろんとベッドに仰向けになった。腕を真上に伸ばし、両手をパーに開き、モノトーンに
また、ふーん、と鼻を鳴らす。
「けっこういいじゃん」
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