第136話 追走曲 3
「貴女の存在は、わたしが皇子の頃から、時間がたったことを忘れさせるね」
「まあ……」
彼女の
どうやら他の
「今日の
「……そうだね」
てっきり、
「どういうことだ……?」
「あら、てっきり
あごに手を当てて首を傾げていた彼は、面白そうな顔をすると邪険にしたところの
「しかたのない皇子様ですこと……」
親王に言い寄られたなんて、「明日の自慢話はこれで決まり!」そう思った彼女は愛想よく返事をすると、
警備にあたっている
そうして“
「おやおや、それは、大変なことだね」
「あら? もう
「いやいや、
彼は、
案の定、彼女は面白そうに、“自分が考えてしまったこと”を口にする。
彼女のキンキンとした声は、几帳の一枚や二枚では、外に丸聞こえであった。
「そ、そう、そうでございましょう? わたくしは、
「たった一夜で、ふたりの高貴な方々を
几帳の外に、複数の気配が集まっているのを知って、彼自身は声を落として、自分と悟られぬようにするが、
「まあでも、こんなことを言ってしまえば、まるで
「…………」
彼女たちは左大臣家の女房たちと、日頃から仲が悪いこともあって、左大臣家の姫君のよからぬうわさ話は、とても面白きものであったのである。
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