第1446話 【エピローグオブチーム莉子のお買い物・その4】乳の格差社会編 ~アイス食ってりゃ買い物なんかだいたい楽しい~

 その頃のバルリテロリ。

 我々は知っている。

 こうやって急に場面転換が起きると、男子の男子による男子トークが行われて、とりあえずそのシリーズを纏めようと世界がのたうち回る事を。


 皇宮に招かれていた六駆くん。

 本日は南雲さんも同行していた。

 現状、まだネオ国協の始動までは時間がかかりそうなため国協の代わりに日本本部が異世界の警察機構としての役割を果たす状況も続いており、そのトップである南雲さんは駐在武官から定期的に報告を受け、その情報に基づき現地視察をする事となっている。

 そしてそれを各国探索員協会に伝えるのだ。



 クソ面倒なお役所仕事。

 早くネオ国協を作って、この無駄の多すぎる仕組みを抜本的に改革したい南雲上級監察官殿。



「はい。では、キサンタさん。とりあえずここ数か月、叛逆の意思なしという事にしておきますので。ヤメてくださいね。勝手に死にに行くの。困るので」

「なんやこの白衣!! 言うに事欠いて、誰が死にたがっとるって言うんや!! 四郎とか四郎の嫁とかきたねぇ孫とかがワシを死に誘おうとするんやぞ!!」


「五十五くんからちゃんとした報告書が上がって来るんですよ。先月、バルリテロリにパチンコ屋を作ろうとされてましたよね? 遊興施設作る前に許可取ってください。一応、敗戦国なんですよ。バルリテロリは」

「なんでや!! ワシ、皇帝やぞ!! 自分の国を好き勝手したらあかんって言うんけ!?」


 それが敗戦国です。


「南雲さん!! 一発ぶん殴っときますか!?」

「ええと、そうやな。南雲上級監察官殿。ほんまに御足労してもらって、な。ワシ、マンモスうれぴーの意を表するわ。オタマー!! オタマー!! 白衣とひ孫に黒糖多めの麩菓子と牛乳出してやってくれ!! な、ほら。おもてなしするから。待て待て、座れ、座れ!! おいぃぃ!! ひ孫ぉ!! ふぅぅぅぅんって言うな! ヤメろ、ヤメろ!!」


 オタマさんが六宇ちゃんとバルリテロリの駄菓子屋で売ってる麩菓子を持って来た。

 麩菓子は比較的低カロリーなオヤツだが、スカスカなので満足感を得られるまでモグモグしたら結局かなりのカロリーをゲットしてしまう魔性のお菓子。


「じゃあ、これ頂いたら帰ろうか。……逆神くん?」

「すみません。オタマさんと六宇さん。質問してもいいですか?」


「はい。もちろんでございます。ひ孫様」

「六駆さんとお話すんのレアだからなんでも聞いてー!!」



「女の子同士でおっぱいの格差ってそこまで気になるものですか?」

「逆神くん? 良くないよ? 逆神くん? ねぇ、君ぃ。これ公式の訪問だから記録に残るのよ。会話のログが。サーベイランス飛んでるでしょ? ヤメなさい?」


 六駆くんは言った。

 「莉子に莉子のおっぱいで僕は充分満足してるって伝えるにはどうしたらいいですかね!!」と。



「あー。危ない。牛乳で良かった。コーヒー出してもらってたら噴いてたな、私」

「白衣? 普通は牛乳の方を噴くんやで? 平成を生きとるやろ、お前も。バラエティー番組全然見んで生きて来たんか? 芸人のリアクションでコーヒー噴くヤツおらんやろ?」


 それから六駆くんはビッグボインのオタマさんとスモールボインの六宇ちゃんから多様的な意見を受け取り、最終的には喜三太陛下も加わった侃侃諤諤の論争に発展した。

 したのだが、残念ながらその全容はお伝え出来ない。

 今回はチーム莉子のお買い物回だからである。


 それでは、日須美市のイオンへ戻ろうか。



◆◇◆◇◆◇◆◇



 デート服も残すところトップスをキメるだけ。

 季節は10月の上旬なので、これから上着が活躍するシーンも増えて来る。

 とはいえ、上着を脱いでからが乙女の本番みたいなところがあるとは古代ギリシャの哲学者ヌイーダ・ラ・スゴーイ氏も著書で語っている。


 「女性が部屋に入ってコートを脱いで、ニット姿になった時。世界は産声を上げる」とは、ヌイーダ・ラ・スゴーイ氏の遺した言葉の中でも最もポピュラー。

 諸君も耳にしたことがあるだろう。


 つまり、冬になればトップスの役割は重くなり、存在感は薄くなるどころかブリブリ増すのである。

 莉子ちゃんはさっきからセーターを見つめて思案顔。

 そこにやって来たクララパイセン。

 手にはロングTシャツ。


 コートの下は案外ラフにTシャツで。


 これもまたあり寄りのありであるとは古代ローマの哲学者ギャップ・デ・オッキサセタリー氏の言葉であり、さすがは紀元前から栄華を極めるローマ帝国。

 フォーマルにフォーマルではなく、フォーマルとアクティブの合わせ技は「おいおいおい、マジかよ、こいつ。俺にだけむっちゃ気ぃ許しとるやんけ。脱いだらTシャツとかこいつぅ。俺にしか見せる気なかいやんけ」と男子に勘違いさせる秘術としても伝えられており、これは日本にも飛鳥時代には伝来していたと記録されている。

 かの聖徳太子も「ほんまにええこと教えて貰ったわ」と遣隋使派遣に際して「日没する処にも教えてやりぃ。日出ずる国の天子から内緒話やで」と国書を授けたらしい。


 隋の皇帝煬帝は「なんや日本、ふざけたこと抜かしやがって。どこが日ぃ没する処じゃボケぇ!!」と国書を読んでガチギレしたが「綺麗なねーちゃんが脱いだらラフ」という一文には「けどまあ、言うとることは一理ある!!」と納得したという。

 これが世にいう遣隋使の主だった役割である。


「にゃはー!! 莉子ちゃん、莉子ちゃん!! もうロンTでキメちゃえよ、ユー! だにゃー!! 意外とこういう着飾らない感じのヤツが男子は好きなんだぞな! あたしは少なくとも好きだにゃー!! ニットは童貞殺しちゃうから危ないぞな!!」

「ふぇ? あ、なんかボーイッシュで可愛いかも!! これって他にもサイズありました? っていうか、どこに並んでたんだろ? わたし、この辺は全部見たのに。さすがです、クララ先輩!!」


 片方の猫が良くねぇハッスルをキメると、もう片方の猫はご主人のもとへ馳せ参じる。

 それがどら猫とメカ猫の関係性。


「ご主人マスター。ご報告します」

「え゛。あんまり積極的に聞きたくないですわね……」


「端的モード。ステータス『ぽこがやらかしましてね』を付与します。プリンセスマスターに差し出しているロングTシャツ、あれ男児の服が並んでいるコーナーから持って来ました。サイズ展開はSМLではなく、150センチとか160センチとかです。ぽーん。情報が更新されました。ぽこますたぁがプリンセスマスターを男児服売り場へご案内開始。瑠香にゃん、コンセントを見つけたので挿さります」

「芽衣さん!? ノアさん!! どこですの!? いつの間にわたしくだけになってるんですの!?」


 小鳩さんがこの後、必死になって場をとりなしたらしい。



◆◇◆◇◆◇◆◇



 その頃の芽衣ちゃんとノアちゃん。


「みみみぃ!! クッキーアンドクリームしか勝たん! です!! みみみみっ!!」

「芽衣先輩!! キャラメルリボンという手もあります!! これはすごくふんすです!!」


「みっ!? ……芽衣、一口欲しいです!! みみみっ!!」

「ボクは芽衣先輩と食べさせ合いっこも果たしてしまいました!! やっぱりお買い物はイオンに限りますね!! 世の中の先輩方もイオンに行きましょう!! ふんすー!!」


 サーティーワンアイスクリームでアイスを堪能していた。

 女の子たちのお買い物は目当てのものをゲットしても、ウィンドウショッピングだけでも、終わった後にアイスを食べたらみんな幸せ。


 乳の格差社会がどうした。

 アイスは全人類に平等である。


 乳に悩んだらアイスを食え。

 我々はまた1つ、教訓を得た。

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