第1445話 【エピローグオブチーム莉子のお買い物・その3】デート服編 ~猫たちがログアウトしました。サーティーワンアイスクリームへログインします~

 日須美市のイオンは大きい。

 というか、イオンはだいたい大きい。

 ジャスコだった頃から大きいし、あるいはサティだった頃にも大きかった。

 1つのイオンでお買い物はだいたい済むし、遊びだってだいたい完結する。


 次にチーム莉子が目指すのは、当然だがお洋服。

 下着を買って「見えないところのオシャレだよ!!」と胸を張るのも当然だが素晴らしい心構え、恋する乙女は常在戦場。

 いつ如何なる時に夜戦が始まるかもしれないので、中身の準備の重要性は語るまでもない。


 しかし、女の子なんだからオシャレで可愛い服を着たいと考えるのは当然。

 このセリフはかつて莉子ちゃんが初めての探索員装備をオーダーする際にクララパイセンが言ったセリフである。

 まるで嘘を吐いているような気になってくるが、事実なのである。


 そんなどら猫はといえば。


「にゃはー!! サーティーワンアイスクリームに行くぞなー!! 莉子ちゃんが3000円もくれたにゃー!! 瑠香にゃんも行くぞな!!」

「データ検索。サーティーワンアイスクリームは2階の東側エスカレーター横にあります。ぽこに警告します。本隊からかなり離れる事になりますが、問題ないのでしょうか」


「うにゃー。むしろどこに問題があるのか聞きたいぞな。あたしポッピングシャワー3段重ねにするにゃー!!」

「ステータス『確かにそうかもしれん』を確認しました。同時に『このタイミングで離脱すると戻って来た時が怖い』も確認。瑠香にゃんは大納言あずきを求めています。データによるとサーティーワンアイスクリームの人気ランキングで10年以上連続して最下位を獲得しているようです」



「あれクソまずいにゃー!!」

「端的モード。このぽこ野郎。人の好みに文句言うな。ステータス『バナナとイチゴが混ざってるヤツよりぜってぇ美味い』を獲得したのでおっぱいに格納します」


 猫たちがアイス食うために旅立っていった。



 残ったのは恋する乙女の莉子ちゃんと小鳩お姉さん。

 そしてこれから恋するかもしれない可能性はちゃんと存在している芽衣ちゃんとノアちゃん。


「ふんすふんすっ!! ボクも恋する乙女サイドに入れてもらえてる事実に興奮します!!」

「みみみみみっ。芽衣、子供だからよく分かんないです! みみっ!!」


 ちなみにこの2人は『恋愛ってクソだにゃー』のメンバーである。

 思えばまだ女子高生の2人をなんという哀しき組織に放り込んだのだろうか。

 責任者は厳罰に処されるべきである。

 女子高生なんて恋に恋するお年頃なのに。


 もはやこのエピローグ時空、恋愛乙女の方が増えてしまったので恋に恋してくれる可能性があるだけで稀有まである。

 男に恋する乙女ばっかりになって久しい。

 どうしてこうなったのか。

 責任者は厳罰に処されるべきである。



◆◇◆◇◆◇◆◇



 イオンの中にはテナントがいっぱいある。

 ユニクロやライトオン、GAPだったりとどこの店舗に行ってもよく見かけるレギュラーメンバーがいれば、見た事も聞いた事もないような謎の民族衣装が店先に並んでいるセレクトショップがあったりする。


 日須美市のイオンはかなり大きいため、個性的なお店も多い。



 ランジェリーショップ『OPPAI個性の塊』があるのに何を今さらと申されるか。

 確かにそうかもしれん。これは失礼。



「あ!! 小鳩さん! 見てください!! なんかふわふわしたスカート売ってます!!」

「まあ! 可愛いシルエットですわね!! なんだかふわふわしたスカート!!」


「ちょっと見ていきませんか? なんかふわふわしたスカート!!」

「良いですわね! 拝見しますわ! なんだかふわふわしたスカート!!」


 おわかりいただけただろうか。

 莉子ちゃんと小鳩さん、どっちも割とオシャレには気を遣うタイプ。

 ただ、ブランドなどに興味はなく、さらにスカート1つ取っても「これはフレアスカート」「こっちはハイウエストフレアスカート」「そっちはボリューミーなギャザーのあるフレアスカート」「全部同じじゃねぇか」などと多種多様な名称を覚えてはいない。


 ミニスカートかロングスカートかくらいの区別しかしない。

 メラかメラミかメラゾーマか米良美一か、それらの詳細な判別はせずに「全部なんか炎がぶわーってなるヤツ!!」で認識を終えて、あとは自分に似合うかどうかでお買い物をキメる。


 それで良いのである。

 「こちらのチュールスカートなど今年のトレンドで。お客様のスタイルでしたらレーススカートでもお似合いだと思いますし、レザースーカートも入荷しました。こちらタイトです」とか店員のお姉さんに言われたら「じゃあそれ見せてください!!」でお買い物は済むのである。


「んー。ちょっと脚を出しすぎですかねぇ? 六駆くん、結構気にするんですよぉ。大学の講義が同じ時もわたしがスカートの日は前の方に座ってくれますし」

「あら、お優しいですわね、さすがですわ。六駆さん。わたくしは逆に脚を少し出してみようかと思いますわ。好みというか、昔からの感覚でつい丈の長いスカートを買いがちですの。あっくんさんが飽きてしまわれるかもですわ」


 好きな野郎のことを考えながら服を選ぶ。

 これがデート服を買う時の最適解なのである。


「みみみみっ。ノアさん、芽衣はこのスカート可愛いと思うです!! きっとノアさんに似合うです! みみみっ!」

「ややっ! これは噂に聞く服の選び合いっこというヤツでは!? 芽衣先輩! この多分サイズが合ってないミニスカを試着だけでいいのでしてください!!」


「みみみみっ。嫌です!! みっ!!」

「くぅぅぅです! 芽衣先輩か最近は普通にノーと言える先輩になって寂しいような、新しい芽衣先輩が見られて嬉しいような! とりあえず興奮しますね!! じゃあ無難にショートパンツとニーハイソックス合わせてください!!」


「みみぃ!! それは可愛いです! ノアさん、やっぱりセンスあるです!! さすがいつも皆さんの盗撮してるだけの事はあるです!! みみみみっ!!」

「せっかくなので試着した後に自撮りしましょう!! 店員さんに聞いてから撮るのがふんすのジャスティスです!! ふんすー!!」


 デート服でなくとも、気になった服を普通に買ってもいいのである。

 新しい服を買えば新しい自分が1人増えたような気持ちになれる。

 新しい自分に変身することで始まる恋だってあるのである。


 チーム莉子、デート服とお出かけ服を購入。

 何故か示し合わせたようにスカートやショートパンツばかりを25000円ほどお買い上げ。


 つまり、次はトップス。

 おっぱいによって格差が生まれるトップスのお買い物である。



◆◇◆◇◆◇◆◇



 その頃の猫たち。


「うまうまにゃー」

「ステータス『あずきが嫌われる理由を知りたい』を獲得しました。ぽこにはこのバナナとイチゴが混在した不味いヤツを進呈します。瑠香にゃん、別に食事の必要ないのに毎日何か食べてます」


「にゃはー。ドリンクバーで適当に何種類か飲み物混ぜたみたいな味がするぞなー。人の金じゃなかったらまず買わないヤツを食べるのもこれまた乙だにゃー」

「ぽーん。瑠香にゃんリモートに着信がありました。プリンセスマスターより『最後のお買い物済ませるよ』との事です。ぽこ。食べ終わったら向かいましょう」


「あいあいにゃー。下着コーナーを終えとるからもう安全が安心だにゃー。勝ったにゃー!! 楽な回だったぞなー!!」

「ステータス『風呂入って来る』を獲得しました。おっぱいに格納します」


 猫たち、これからおっぱい周辺の買い物をするとは知らず。

 乳と和解した莉子ちゃんだが、別に全ての乳と仲良くするつもりはない。


 そのことを諸君にはご承知いただきたい。

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